第163回直木賞を受賞した、馳星周さんの名作『少年と犬』(文春文庫)。さまざまな背景を抱えた人々と犬の多聞(たもん)の触れ合いを描いた6つのエピソードを綴った短編連作小説は、著者の馳さん自身が「犬を愛する人たちに贈る」と語った感涙必至の作品で、現在までに累計発行部数45万部を突破しています。 飼い主を亡くし岩手県釜石から彷徨ってきた1匹の犬“多聞”が、南の方角を目指して日本を横断する旅路で出会