996年、紫式部は父・藤原為時の赴任に同行して越前へ向かった。歴史評論家の香原斗志さんは「1年ほど、彼女は越前で暮らし続けるが、越前の風物を詠んだ歌や国内を移動した記録は残っていない。父の世話をしながらも、都を懐かしがってばかりいた」という――。石山寺で源氏物語を書く紫式部(画像=八島岳亭/https://asia.si.edu/object/F1901.166//CC-PD-Mark/Wikimedia Commons)■紫式部の父・為時が「越前」の長官に大抜擢