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プッシュ型の未来に備えよと専門家達は言っている

専門家達によれば、我々が知っているWebは今、根本的に変わろうとしているとのことだ。

WordPressはWebサイト全体のほぼ1/4を支えているが、Drupalの人気が下火になったわけではない。世界中のWebサイトの5%を支えていると同時に、上位10万のサイトの12%を動かしている。Drupalの設立者 ドリス・バイテルトが「Webは向こう10年のうちに大きく再編・再構築される」と宣言しているが、それが何を意味するのかについてみて見ることは意味のあることだろう。

プル型からプッシュ型へ

ここ20年以上もの間、Webは私たちに人として成長するためのコンテンツからオシメの替え方にいたるまで、あらゆる情報を提供してくれた。

しかしこれらのコンテンツは私たちの方から探しに行く必要があり、率直にいって欲しいものをすぐに手に入れたいこの世の中ではGoogle検索の様なものは面倒臭い事だ。

少なくともバイタルトが言っている事の骨子はこの様なものだ。

現在のWebはプルベース、つまりユーザー側からWebサイトに行ったりアプリをダウンロードするモデルだ。しかしWebの未来はプッシュベース、つまりWebの方がこちらにやってくる様になる。向こう10年の間に、私たちはWebがプルからプッシュに移行するのを目の当たりにすることになるだろう。この大転換が完了すれば、Webは電気や水道の様な生活のバックグラウンドに溶け込むことになる。

フェイスブックやFlipboard、その他のモダンなWebサービスが表している様に、プッシュベースのWebとは私たちが探しに行くのを待っているのではなく、Webが向こうからやってくることを意味している。

将来、コンテンツ、製品、サービスはあなたが探すのを待っているのではなく、向こうの方からやってくる。プーマから靴の買い替えを促され、もしあなたが飛行機の乗り継ぎに失敗した時はマリオットから自動的に泊まる部屋についての提案がやってくる。Webサイトを見に行く代わりに、状況に適合する通知が提示され、ユーザーにアクションを求める。ここでのWebの主要な機能は私たちに何が起こっているのか、何をすれば良いのかを我々に伝えることにある。

通知に囲まれて

この事により、当然ながら私達のWebとの関わり方も変わらざるをえない。事実、既にそのようになっている部分もある。スマートフォンでプッシュ通知を受け取ったことがある人なら、プッシュベースのWebがどのようなものか想像がつくだろう。

この事はリターゲティング広告にも当てはまる。Web検索から最初にユーザーが興味を持っていることが登録されるが、その後のユーザーの興味を引こうとする試みはプッシュベースだ。(ところで私は既に登山グッズを持っていることをBackcountry.comに伝えなければならない。あれは自分ではなく友達のために選んだものなのに!)

もしあなたがこの様な新しいWebにおいてアプリの居場所はあるのだろうかと考えているのであれば、それはあるはずだろうと言える。

アプリは重要なものじゃ無いと言いたいわけではない。事実重要なものであり続けるが、既にある種のコンテキストにおいて、その重要性に対する疑問が呈されている(Phocuswrightの記事では「モバイルWebかアプリ、どちらで行くべきか」という問いに対する深い考察が述べられている)。そしてWebの未来がプッシュにあるのだとしたら、アプリはそれに対してどの様に対応すればよいのかという、更に大きな問いが浮かび上がっている。

かつてのフェイスブックとグーグルに勤務していたポール・アダムスは次のように述べている。

通知がユーザーエクスペリエンスの中心となるようなWebにおいては、アプリのアイコンや、目的を達するために立ち上げるものとしての立場はますます小さなものになっていく。フェイスブックのコンテンツを通知で受け取れ、更にそれに対してコメントを返すなどのアクションを直接行えるのに、なぜわざわざフェイスブックアプリを開くことがあるのだろう?私はあと数年で、二次的なナビゲーション画面としてデバイスのUIに組み込まれる形を除き、アプリの画面は将来なくなると考えている。

アプリが役に立たないということを言ってるのではない。ただ、相互作用が無いため不完全だと言っているのだ。今日のプッシュ通知はアプリのインストールに依存しており、ユーザーはアプリごとにプッシュ通知の許可を設定している。

では将来はどうなる? 今日のモバイルと同じようなものであるとは考えづらい。

プッシュとプル

バイタルトは論文で、Webの大転換の結果、世界経済も完全に構造の転換を起こすと主張している。

我々は今まさに、二つの全く異なる経済構造を繋ぐ転換期に差しかかろうとしている。1つはプッシュ型の経済構造。これはコンシューマの需要を予測し、より標準的・汎用的な商品を大量に作り出し、世界中の市場に送り出すというものだ。逆にプル型の経済構造は個々の需要に応じて高度にカスタマイズされた製品やサービスをコンシューマ個人に対して提供するというものだ。

人に先んじようと考えている開発者はIntercomのアドバイスを受け入れ、ある目的のために起動する何かではなく、それを取り巻くシステムを構築するべきだ。もしあなたが自分のアプリをユーザーに使い続けてもらうことを望んでいたとして、そのアプリが他のアプリやWebと関わる事がない独立したものであったとしたら、あなたの望みは叶わないだろう。

我々は恐らくApple Watchから何かを学ぶことになるだろう。以前書いたように、Apple WatchにGPSが組み込まれるまで、私にとって使い物になるならない以前の製品だった。あなたにとっても役立つ様なものになったとは考えにくい。

しかし今後、我々はこの製品からアプリではなく通知について学ぶことになる。この小さなデバイスによりユーザーが通知との関わりを学ぶことはカギとなる。そしてiOSがMacOSXのユーザーエクスペリエンスに大きな影響を与えたように、Apple Watchはスマートフォン、タブレット、そして恐らくはデスクトップにも影響を与えることになるだろう。

プッシュ型の未来は以上のようなものだが、取り組み始めることは今からでも出来る。

トップ画像提供:Jason Howie

Matt Asay
[原文]