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公式サポートがない?問題ない。

有能なAndroid開発者モハメッド・アブ=ガーベイヤーは、脱獄を行うことなく、Android WearのスマートウォッチをiPhoneで動作させることに首尾よく成功した。

その実現に、アブ=ガーベイヤーはアップル提供のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用した。iOS端末をサポートするためにPebbleが利用しているものと同じものだ。

グーグルのウェアラブル・ソフトウェアがiOSと一緒に動作するのを目にするのは史上初だ。ここではこのハックがどのように動作しているのか、詳細を見ていこう。

iPhoneとともに、Wearは旅する

アップルは開発者に通知機能APIを提供している。アップル通知センターサービス(ANSC)のAPIのことだ。アップルのiOS Developer Libraryによると、ANCSによって、「iOS端末で行われる多くの種類の通知にアクセスする、簡単で便利な方法」がBluetooth製品で利用可能となっている。

それを用いて、アブ=ガーベイヤーは、よくあるiPhoneの通知をAndroid Wearの端末(この場合はMoto 360)に表示させることに何とか成功した。「目標は、iPhoneとAndroid Wearのスマートウォッチだけを持ち運べばいいようにすることです」と彼はAndroid Beatのコメントで語った。

この短いデモビデオがその証拠である。

しかし、機能は限られている。コマンドを、逆方向に送ることはできないのだ。言い換えれば、音声制御機能やGoogle Nowのポップアップ画面(Androidのモバイル端末に接続し、Android Wearユーザーが活用する)は利用不可能ということだ。

スマートウォッチの障壁を取り除く

アブ=ガーベイヤー自身はこのハックについてほとんど明かしておらず、ソースコードも未公開のままだ。さらに、アップルやグーグルが、特にこのハックが広く利用されるようになった場合、その阻止に動くのかも不明だ。

この特殊なハックがいつまで利用できるかは分からない。しかし、一部メーカーがスマートウォッチの互換性を特定のスマートフォンのみに制限している、その状況を強調する出来事なのは確かだ。TizenベースのSamsung Gearが、サムスンの携帯電話のみで動作するというのがそのいい例だろう。もちろん、iPhoneで動作するようにゼロから設計された、まもなく発売のアップル公式ウェアラブル、Apple Watchもその例の一つだ。

グーグルは、自社アプリの多くがiOSで利用できるようにしている。Android Wearのプロダクトマネージャー、ジェフ・チャンは以前、将来的にiPhoneとの互換性を追加することに「非常に興味を持つ」ようになるだろうと述べている。これは、グーグルにとって賢明な判断だ。Android Wear利用可能端末を制限することは、その売上をも制限することになる。それによって、Pebbleがナンバーワンのクロス・プラットフォームのスマートウォッチとしての地位を確立してしまいかねないのだ。

もしもAndroid Wearが正式にiOSで利用可能になった場合、Android Wearは急激に魅力を増すことになるだろう。モハメッド・アブ=ガーベイヤーのハックで、互換が可能であることが証明されたのだから、今後どうなるのか興味深い。

トップ画像提供:Motorola

David Nield
[原文]