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Google Glassに軍配が上がりそうだが、とりあえず製品を見てみよう。

ソニーは10か国で、AR(拡張現実)ヘッドセット、SmartEyeglassを3月に発売する予定だ。その開発者向け製品がプレオーダー可能となったことが18日発表された。同製品は鳴かず飛ばずのGoogle Glassに似た感はあるが、SmartEyeglass はGoogle Glassとは違う。

実はかなり物足りないものだ。

SmartEyeglassのヘッドセットは、2016年に一般消費者向けに発売予定だ。NestのCEOトニー・ファデルによる改革の一環として、グーグルがGoogle Glassを一時的に販売を中止した隙をソニーが狙い定めて発売する予定だ。しかし、競合製品がほとんどなくても、SmartEyeglassは大失敗となるのが目に見えている。それは主に、ソニーの技術者が、消費者向け端末としてのGoogle Glassの失敗から、悪しき教訓を得てしまったからである。

本製品のスペック

SmartEyeglassは両レンズでARディスプレイを見ることができ、片側で見るよりもユーザーにクリアで快適なインターフェースをもたらすことになる。ヘッドセットは、SmartEyeglassのバッテリー、スピーカー、マイク、タッチ・インターフェースとして動作する、有線のコントローラー・モジュールと接続している。

ソニーのプロモーションビデオではそれが明らかとなっている。

SmartEyeglassは、メガネ型端末の多くの問題を改善している。前述の片側ディスプレイや、扱いにくいタッチ・インターフェースの改善がその例だ。しかし一方で、メガネ型端末の最悪の欠点の一つをより増幅させている。見た目が悪いという点だ。ウェアラブル製品の場合、うまく動作するかどうかは問題ではない。外で後ろ指さされて笑われるがために、誰もその製品を身につけたくないとしたら、引き出しにしまい込まれるのがオチだ。

さらに、デモ映像でソニーがアピールしている機能には、革新的であったり面白いところは特に何もない。他の端末が既に持っている機能を単に真似て搭載したに過ぎない。

スマートフォンを見ないで進路変更のナビをしてほしい?GPSセンサーが埋め込まれているか否かにかかわらず、スマートウォッチのAndroid Wearは、どの機種にも既にこの機能がある。音声文字変換できるインスタント・メッセージはどうか?Android Wearではこれも可能だ。

そして、どうしても友人に写真を送りたいなら、携帯電話のカメラを使った方がいいだろう。SmartEyeglass搭載のカメラはたったの3メガピクセルしかないのだから(Google Glassですらなんとか5メガピクセルだというのに)。同時に、ソニーはカメラを使用しない場合も本製品のバッテリーが2時間超しかもたないと述べている。対するGoogle Glassのバッテリー寿命は約1日だ。

開発者はご注意

見た目は美しいといえるだろうか?

ソニーが現在SmartEyeglassを推しているのは、開発者の関心を集め、来年の一般消費者向け製品の発売に先駆けて、なるべく多くのアプリを製作するためという意図もある。さらに、先月開催されたCESでのAPX Labsのデモンストレーションを引き合いに出し、本端末が大企業での使用に最適であるとソニーは訴えかけている。APXは倉庫係にどの箱をどこへ移動するかを指示するのにSmartEyeglassを利用する方法、あるいは、エンジンを修理する整備士をARで支援する方法を示していたのだ。

このような利用法を念頭に置いても、SmartEyeglassは失敗する運命にありそうだ。倉庫係はコントロールモジュールとやたらにコードで繋がっているこれだけクセのあるヘッドセットを使いたがらないだろう―手が汚れている整備士も同様だ。

ソニーがSmartEyeglassのデザインを大幅に見直さなければ(そして、新しくもっとマシな名前をつけなければ)、この端末を誰も使用しないとしても不思議ではない。

SmartEyeglassを実際に見て調べてみたい場合は、以下の方法で。ドイツと英国の開発者は670ユーロまたは520ポンドでそれぞれ注文できる。米国と日本では、840ドル、10万円で近日中に入手可能だ。フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、スウェーデンの場合は来月の発売日以降に購入可能となる。

トップ画像提供:Sony

Brian P. Rubin
[原文]