突然の逮捕や訴訟の危険が身近にある?ネットにおける白と黒の境界線

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ある日突然訪れるもの、それが出会いやチャンスであればいうことはない。でも、それが逮捕だったり訴訟だったり、トラブルだとしたら最悪だ。わいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕されたアーティストの件はネットでも議論が起こっている。「わいせつ電磁的記録頒布容疑」という聞き慣れない言葉に、「3Dモデルデータ」、「クラウドファンディング」といった流行のキーワードがプラスされ、さまざまな切り口から議論されている。
その容疑が是か否かという争点も重要なポイントだが、いきなりの「逮捕」だったことも衝撃を呼んだ理由だろう。

普段から行っている活動や行為に犯罪の可能性があると感じているのであれば、いつかそんな日も来るかもしれないと予測もできるだろう。けれど、自分に罪を犯している自覚も意識のカケラもなければ、予測のしようもない。

そんな事態がいきなり自分に降ってきたら…。「いやいや大丈夫、自分は何もしていないから、起こりっこない。」でも本当に、そうだろうか? 

◎ネット上で「白」やグレーに見えても、リアルでは「黒」?
日常的に書き込んでいるSNSやブログも、気を付けないと著作権肖像権のトラブルを引き起こしかねない。いまはTwitterのリツイートやFacebookのシェアなどの機能で、自分が一次発信者ではない情報を気軽に発信できてしまう。

自分が「いいな」と思ったものを共有するという行為、よかれと思って拡散する場合もある。悪意は無く、善意から行為でなので決して悪いことではない、そう思っている人も多い。しかし、それに慣れて、ついネットで見つけた写真やイラストを勝手に自分のサイトやブログ、SNSの書き込みで使ってしまうと、それは著作権の侵害にあたってしまう。

著作権侵害は、著作権者が告訴することで処罰の対象となる行為(いわゆる親告罪)。著作権、出版権、著作隣接権の侵害は10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金と定められている。

そうは言っても悪用も商用もしていないし、誰も摘発されていないから大丈夫という問題ではない。過去、ポケモン同人作家が逮捕されるという事件もあった。もちろん余程のことでなければ「逮捕」なんて事態にはならないが、これだけ普及したネット社会で間違った行為がバレないわけはない。著作権者、あるいは第三者に発見・指摘されて、公になってしまう。そのときになって、知らなかったでは済まされない(もっとも、悪質な行為でなければ訴訟沙汰になることも少ないだろうが)。

ちなみに最近、問題視されているパクツイの場合、著作権の侵害に当たるかどうかは、そのツイートが著作権の発生する対象(著作物)かどうか、によるという。この辺りが何ともグレーなのだが、パクツイの場合、著作権に抵触しなかった場合でも、ネットの社会的な制裁があるといえばあるので、決して大丈夫ではない。

◎何がよくて何がいけないのかの境界線をはかっておく
写真やイラスト、著作権といったことであれば、事例もガイドラインもできてきているので、まだわかりやすいほうなのかもしれない。しかし今後、新しい技術が登場し、普及していくと、対「人」との関係も変化し、これまでセーフとされてきた延長線上の行為でも、法律的に問題となる可能性もあり得る。

リスクやマイナス的な可能性を考え過ぎたら何もできなくなってしまうが、日々変化を続けるネットでトラブルに巻き込まれないためには、何がよくて何がいけないのかという「境界線」に敏感になっておきたい。ネットを過度に怖がる必要はないが、ネットに向かって投稿を書き込んでいるとき、その先にはリアルな社会と同じ世界が広がっていると意識しておくことだ。

参考

著作物を無断で使うと?
他人のつぶやきを盗んでツイートする「パクツイ」 弁護士が「著作権法違反」と警告



大内孝子