お金はみんな、好きですよね?

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おじいちゃん芸能人などが、ずいぶんトシの離れた女性と結婚するケースは、多々あるもの。しかも、相手はたいてい「若くてかなりの美人」である。
また、有名人でなくとも、年の差婚の組み合わせは、「お金持ちの年上男性+若い美人」というケースが多い気がする。
そうしたカップルを見るたびに不思議に思うのは、「美人って、どうしてこうもお金が好きなんだろう」ということだ。

誰でももちろんお金は好きだろうし、「お金持ちが若い美人しか選ばない」というこか?
いやいや、並のルックスの女性の場合、「お金はなくてもイケメンのほうが良い」とか「お金はなくても優しい人が良い」という人も多い気がするが……。
もしかしたら、かなりの美人は、もともと自分の容姿で美しいものを見慣れているだけに、美に執着しなくなるということなのだろうか。
「ゆうメンタルクリニック」総院長の、ゆうきゆう先生に聞いた。

「これはなかなか難しい質問ですね。『美人だからお金が好き』とは言い切れませんし、美人でなくともお金が好きな人はたくさんいます。なんとなく『強欲』というからには、犯罪に手を染めてでもお金を手にするレベルといったイメージがありますからね」
そういえば、多数の男性からお金を騙し取る女性の犯罪者は、あまり美人でないことも確かに多い気がする。
となると、結局、「誰でもお金が好きだが、お金持ちの男性は美人が好き」なだけなのか。
「そもそも『美人だからお金持ちに見初められた』という見方をする人がいますが、一般的にかなり美人の女性は、案外モテません。モテないというか、立候補する勇気のある男性が少ないのです」

あまりにも美人すぎると、自分のスペックに自信がなければ、怖気づいてしまう男性が多いそう。すると、自分のスペックに自信がある男性か、ダメもとのトライ、もしくはかなり図々しくならないと、美人には近づけなくなると言う。
「そのため『美人なのにすごく残念な相手(働かない・外見もいまいち・性格も微妙・暴力をふるう等)を選んだ』ケースを見聞きすることも少なくないでしょう。美人から好みの男性にぐいぐいいくケースももちろんありますが、『選択できる範囲』はその女性に寄ってくる男性・取り巻く環境で違うんですね」

加えて、「お金そのもの」ではなく、「お金を持っているという自信→堂々としている姿」を好ましいと感じる可能性もあると言う。
「また、女性にとっては『お金がある=生活に困らない』わけですから、生物的にお金がある男性に魅力を感じること自体は、決しておかしくありません。というか、むしろ正常です」

女性が男性を選ぶ条件として、かつては「三高」というものがあった。これは今では死語だが、「背が高い(美しい遺伝子)」「高学歴(頭のいい遺伝子)」「高収入(生活力)」の3つだったが、「動物界を見渡しても、オスがメスに選ばれるために自分の強さ・美しさ・生活力などをアピールするのと同じなんですね」とゆうき先生は言う。
「人間の場合は、性格や価値観の違いによって生活スタイルが変わりますので、そういった要素も加わりますが、根本的な部分で『この男性の遺伝子を自分が残したいと思えるかどうか』『自分がこの男性と一緒にいて生きていけるか』を判断していると言えます。もちろん人によってそれぞれの優先度が違ってきますが、特に結婚や出産など自分の人生の大きな部分を担う問題では、なにかしらのこだわりを見せるものなのではないでしょうか」

ところで、中高生くらいのカップルの場合は、「イケメン×そうでもない女子」という組み合わせもよく見かける。
これは「肉食女子と、欲望のまま食われてしまった男子」の組み合わせなのか……とよく思うのだが、優先順位や大切にしたいものは人それぞれ。傍から見てわからないことはたくさんあるものです。
(田幸和歌子)

●ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院)。(池袋院)。(新宿院)。(渋谷院)。静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。