犬牟田戦!……と思ったらあっさり終わって、蛇崩戦に入りましたよ『キルラキル』10話。今までもインフレしまくっていましたが、蛇崩の巨大極制服といい、鮮血の飛行形態といい、スピードが早過ぎる。大丈夫なのか流子!?

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やあ、ぼくは『キルラキル』本能字学園生徒会、情報戦略部委員長、犬牟田宝火だ。
弱すぎとか、かませ犬牟田とか、動きキメエとかネットでは言われているようだね。

わかってない! なにもわかってないね!
ぼくが求めているのは神衣のデータ。勝敗じゃない。
純粋に生命戦維だけで出来た服を着て、なぜ人間がそこまで動けるのか、その理由がわかればいい!
神衣は脅威に値する情報をどんどん見せてくれる。今回はぼくが今までの戦いで集めたデータを復習しておくよ。

ん? 「オレ」と「ぼく」の使い分け?
本気になれば「オレ」ともいう。ただ普段は自分を見せたくないんでね。
え? ぼくの襟?
同じことさ。初めて皐月様にあってから、なるべく口は隠しておきたいんだ。情報は大事だからね。
まあ、キーボードが背中にあるのは、少々打ちづらいけどな。

●「鮮血」と纏流子のコネクト
ボクシング部部長戦が、神衣の変身形態、初披露だったね(第一話)。
自力で変身出来ない彼女は、自分の手首を切って血を効果的に送り込む「赤手甲」なるものを付けるようになった(第二話)。
この時点ではまだ力を出し切れていないのがわかるよ。

皐月様との戦いで、やっと本来の力を引き出した、というべきだろうね。(第三話)
貧血になることで変身が一度解除されている。
その後覚悟を決め、わずかな血で、全ての繊維に行き渡るだけのコネクトが出来たようだ。初めてきちんと装着ができている。
ウイング部分は巨大化、背中からブーストが出て高速移動が可能になり、身体能力をうまく増幅させている。
ところで「片太刀鋏 武滾流猛怒」という、武器の変形を見せるわけだが……これはデータ不足だね。小さくすることもできるようだが、生命戦維とどういう関係があるのだろう? 君、知っていたら教えてくれないか?

反制服ゲリラが纏流子を狙っていた時(第五話)、黄長瀬紬が使っていた針は、人体と生命戦維のコネクションを遮断する厄介なシロモノだ。
さすがに神衣でも途中で切断されたようだ。ただ動かないはずの脱いだ神衣に、黄長瀬紬が怯えていたのは妙だね。解析の必要がある。

猿投山との一騎打ちではいいデータが取れたよ(第六話)。
纏流子は神衣の一部を自分から切って、相手の視野を奪っている。だが、すぐに服は元に戻っているんだ。異常な再生能力を持っているようだね。

さて、ここまでは本来神衣が持っていた能力。ここからは……進化だ。
……話してる最中はむさ苦しいから、離れて座ってくれないか、風紀部委員長。いや失敬、元風紀部委員長。

●鮮血の進化
元風紀部委員長との戦いでは、最初は今までと同じ衣装だった。データが手に入らなくてつまらない試合だと思ったよ(第九話)。
ところが脱出するために、鮮血閃刃という、全身に刃を立てたチェンソーのような第二形態になった。
これが初めての「戦局に合わせた進化形態」だね。
……だから、邪魔だから詰め寄らないでくれないか、元風紀部委員長!

ぼくとの試合はデータの塊だったね(第十話)。さすがぼくだ。負けてなんていないぞ。
最初から負荷をかけて予測よりも反応スピードを上げていた。地味だが、精神力で生命戦維とのコネクションをアップするすごい能力だ。
神衣はぼくを追い込むために、フィールドを覆うサイズにまで広がった。
ぼくが光学迷彩化するのは予測してないはずだから、またしても戦局にあわせた進化だ。いいデータだったよ。
ああ、痛くなんてなかったとも。

蛇崩乃音との戦いでは、服の一部を長いワイヤーにしている。
あれは生命戦維でできているから、そうそう切れないだろう。スカートからアンカーが出て地面に固定しているのも、戦局中の進化だ。
この後にスカートがジェットになり、ウイングも広がり、飛行形態になった。
あそこまでの進化は見たことがないね。
確かに蛇崩の変形に瞬間的に追いつける……進化の形態が早過ぎる。興味が湧くね。
ぼくや蛇崩の戦いは、神衣進化のデータを得るためのいい戦いになったよ。処理能力の限界を超えるほどにね。

●変形と感応能力
問題は、神衣の感応能力だ。
ぼくたちが着ている三つ星極制服は、着用者の能力を増幅させている。
ところが神衣は増幅させるだけではなく、戦闘の際に適応し、進化し続けている。

たとえば蛇崩乃音との戦いでの飛行形態。纏流子は空を飛んでもOKというルールは知らない発言をしている。
ということは彼女の神衣も、空をとぶ構造は、本来持ち合わせいないはずだ。
服と打ち合わせをして、ベストな選択をしているかのようだ。

今まで50%の生命戦維を織り込んだ極制服でも、通常の人間は耐えることは出来なかった。
またトラップ開発部部長も、着ることは出来ても、自分のものにすることは不可能だった。

考えられるのは、神衣が人を選んでいる、という可能性だろう。
皐月様が純潔を着こなしているのは、皐月様自身で服をねじ伏せて着ている部分がある。……どうも最近皐月様はお疲れのようだ。
だが纏流子は神衣を着るほど元気になっている。
一番気になっているのは、纏流子が制服に話しかけていることだね。
ならば、神衣が生命体のようなものである可能性は高いが、解析完了するにはデータが足りない。
二つ星極制服の園芸部が育てている植物も、大幅に進化を遂げた生物になるのだから、100%生命戦維の服が生物に限りなく近くなるのは、ありえない話じゃない。

これはぼくの予測だ。
馬が騎手と心を通わせた時に最大の力を発揮する。
同様に、服が単純に体にコネクトしているわけではない、意思の疎通が出来ているなら、更なる力を引き出すことが出来る。
ではこの場合、もし服が纏流子を裏切り、呑み込んでしまったらどうなるのか? 
親しかった馬が進化し、人が落馬したらどうなるだろう。
そうなったら……これは興味深いね。

まあこれからもデータを集めるつもりだよ。
ぼくの予測では、纏流子と皐月様は、15話くらいで宇宙に行くんじゃないかな?

●デンドロビウム乃音
えっ? 蛇崩乃音についてもデータがほしいだって? それはあまり興味が無い。
……わかったわかった、声がでかいぞ元風紀部委員長!
皐月様のご命令ならばしかたない。いくつかまとめておこう。

彼女の「奏の装」は、今までのぼくたちの極め制服と異なり、他の部員の楽器を吸収しているのが特徴だ。
ネットではデンドロビウム乃音とか、ステカセキング乃音なんて呼ばれているのを見かけたよ。
ぼくが最初会った時は、ベースで殴ったりベスパで走ったりすると思っていたんだがね。

蛇崩はいつもぼくたちに「私は違うわ」と言うよ。皐月様のことも「皐月ちゃん」なんて呼べるのは彼女だけだね。
幼稚園の頃から皐月様とは幼なじみだかららしい。皐月様も「意を汲んでくれる」と蛇崩のことは評価している。

でも今回ちょっと妙なデータが手に入った。闘いながら皐月様に話しかける蛇崩に、皐月様は目もくれなかったんだ。
皐月様はいつも、ぼくの想像の上を行くからね。蛇崩に対し何を考えているのか、知る必要もない。僕が知りたいのは神衣のデータだけさ。

ちなみに蛇崩使っていたのは、
『双頭の鷲の旗の下に』ワーグナー
『「軽騎兵」序曲』スッペ
『ウィリアム・テル序曲 フィナーレ』ロッシーニ
競馬中継を思い出したね。

「奏の装」の名前「グラーヴェ」は、イタリア語で「重々しく」、「プレスト」は急速に、という意味だ。
J・リヴィエの楽曲に『グラーヴェとプレスト』なんていうのもあるね。

そうそう、リコーダーミサイルについて、纏流子は「これのどこが服なんだよ!」と言っているね。
だが以前満艦飾マコも二つ星極制服を着て、ミサイルを撃っていることもあった。「楽器は自分の体の一部」と思うのならば、服のようなものだ。

おっと、ちなみに今回のタイトルの「あなたを・もっと・知りたくて」は1985年の薬師丸ひろ子の5枚めのシングル。
次回の「可愛い女と呼ばない」は金井夕子の1981年9枚目シングルだ。
いくら進化したとはいえ、蛇崩乃音が強いのは間違いない。
次回どんなデータを取らせてくれるのかなと……おや?次回予告で新キャラ?
そうか、猿投山は……。フフ。

新キャラが出てくるとなると、新しいデータが沢山手にはいりそうだね。
よろしく頼むよ、纏流子。

『キルラキル』BD 1巻
「キルラキル」オリジナルサウンドトラック

(たまごまご)