テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

ダーリンハニー吉川コラム「1番ショートが夢だった」その49

「おいなりさん」という響きには、何とも言えないありがたみがある。

おいなりさん。

食べ物としても甘酸っぱくて美味しいし、小腹が空いたときにちょうどいい。おいなりさんをパクッとやると、どこからともなく元気が出てくる。手に少し油がつくが、あれも含めてのおいなりさんだ。おにぎりとは違ったチャージ感を味わえる。やはりおいなりさんはありがたい。


おいなりさん

おいなりさんのありがたみはどこからくるのか。

考えてみると

1、おいしい。
2、どこかお祭りっぽい。
3、「おいなりさん」という名前がいい。

どれもありがたいが、僕は3番に賭けてみたい。

倍率も出ていないし自分が胴元なのでひっちゃかめっちゃかだが、どうも3番が匂う。おいりさんにありがたみを付与している最大の要因は、その名前ではないか。


稲荷

まず稲荷自体がありがたい存在だ。そこからどういう風に転がって「おいなりさん」と呼ばれるようになったのかはわからない。詳しく調べていけばわかることかもしれないが、その先に行きたい。

稲荷は稲荷でありがたいものだが、それを「お」と「さん」で挟んじゃっているところに、おいなりさんパワーの神髄があるのではないだろうか。


「お」+「いなり」+「さん」

おいなりさんのことを「いなり寿司」ともいうが、それだと特有の神々しさは薄れてしまう。十分にごちそう感はあるが、それでも「寿司の派生かい」と言いたくなる。

「おいなりさん」

となると、もはや食べ物とは思えない。

寿司が除外されることにより一気に抽象化され、「お」と「さん」でサンドイッチすることで、一気に神格化される。おいなりさんとかサンドイッチとか多少ややこしいが、とにかく「お」と「さん」で崇めることが重要なのだ。


ありがたやー

おいなりさんのありがたみは「お」+「さん」にあり。

これだけありがたく見えるのだから、日々の辛いことや苦しいことも「お」+「さん」で挟んでしまえばいいのではないだろうか。

おいなりさん理論で少しだけやってみよう。


おストレスさん


お肩こりさん


お渋滞さん


おクレームさん


お大遅刻さん




ありがたいかは置いておいて、少し余裕が出た気がする。
おいなりさん理論は一応の成果が出た。余裕がないときには、その事柄を「お」と「さん」で挟んで、いささかゆるみを出すといいかもしれない。

ただよく考えたら

「おかあさん」

も相当ありがたい気がしてきた。
「おいなりさん」と「おかあさん」。
どっちがどうのではなく、「お」+「さん」の1位はおかあさんな気がしてきた。

もうすぐ母の日なので実家に大量のおいなりさんを贈ろうかと思いましたが、お馬鹿さんすぎるので、やっぱり花にしましょう。



この記事の元ブログ: おいなりさん理論