しかしAKB48の問題は、ここまで派手にやっただけに、かなり多くの人が疑問を感じているはずだ。
TVのワイドショーなどでも、何か言いたげな顔をして黙っているコメンテーターを良く見かける。非常に気味が悪いのだが。
全体として「景気のいい話だ」と肯定する意見が基調路線になるのは仕方がないが、せめて「やり過ぎだ」とくぎを刺す論調が出てこないものか。日本全国が拝金主義に覆われていくような気がする。

私の知り合いの中にも、アルバイトで得た金をすべて総選挙につぎ込んだと言う若者がいる。彼に「良かったね」という人は、恐らく周囲にはいないだろう。

昔は、こういう阿漕な商法は、商道徳を重んじるビジネスマンには、恥ずかしくてできなかった。

このイベントの経済効果は200億円だそうだ。こんな風に、特定の人間に不必要なものを大量に購入させることでも経済効果があるというのなら、「オレオレ詐欺」や「脱法ハーブ販売」なども、経済効果があると言うことにならないか。

秋元康と言う人は、私の世代では美空ひばりの「川の流れのように」の作詞家として記憶している。
まじめに、地味に、コツコツがんばる日本人の琴線に触れる歌を作った人だと思っていたが、その延長線上にこうした商法は連なっているのだろうか?

「川の流れ」は、どこをどうたどって、「金の流れ」につながっていったのだろうか。

広尾 晃

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