名古屋名物の台湾ラーメンとは
名古屋人にとって麺といえば味噌煮込みうどん、きしめん、スガキヤラーメン、そして台湾ラーメンの4品。名古屋人はこれら食文化の存在を疑うことなく育つのだが、他県の人によれば、なぜ台湾ラーメンが名古屋名物なのか腑に落ちないらしい。中国人の友人が日本を訪れて名古屋名物を聞いてきた際も、「台湾ラーメンだね」と答えたら同じツッコミが返ってきた。
確かに他県のご当地ラーメンの場合、「とんこつ」や「札幌」等、味の特徴や自らの地名を冠しているものはあるが、よその地名を地元の味として銘柄化している例は珍しい。なぜ名古屋なのに“台湾”なのか? また、台湾ラーメンとはどのような味なのか? 名古屋出身のご当地ライターが、台湾ラーメンを再確認してみた。
訪れた店は、名古屋市千種区にある「味仙」という台湾料理屋。そもそも台湾ラーメンとは、この味仙が台湾の担仔(タンツー)麺を元に考案したものなのだ。本来はまかない用のメニューで、台湾人が作ったから台湾ラーメンというシンプルなネーミングになったらしい。ラーメンの内容はというと、唐辛子が多く使われた激辛の鶏ガラスープをベースに、麺の上には炒めたひき肉とニラが乗っている。どんぶりの大きさは通常のラーメンより小ぶり。元になった担仔麺はこのような激辛ではないため、味は本来のものと異なっているが、容器の大きさは踏襲しているようだ。ちなみに、少し量が足りない場合は「台湾ちまき」を一緒に注文してもいい。また唐辛子が苦手の人には、辛さを抑えた「台湾ラーメンアメリカン」というメニューもある。
名古屋を訪れると、味仙に限らずいたるところで「台湾ラーメン」の看板を目にすることができる。味仙によると、台湾ラーメンが広まったキッカケは一時期流行った激辛ブームだそうだ。その時に激辛の台湾ラーメンが注目され、市内多くのラーメン屋が名前もそのままに、こぞって同じ形態のものを提供するようになったという。また県内のスーパーでは、家庭向け袋麺の台湾ラーメンも手に入る。
現在、本家である味仙は名古屋市千種区今池にある本店を筆頭に、愛知県下に8店舗。中部国際空港内にも店を構えているので、来日した本場台湾人と名古屋の本場台湾ラーメンの遭遇が日々おこなわれている可能性(!)もある。興味ある方はぜひのぞいてみては。
(加藤亨延)
確かに他県のご当地ラーメンの場合、「とんこつ」や「札幌」等、味の特徴や自らの地名を冠しているものはあるが、よその地名を地元の味として銘柄化している例は珍しい。なぜ名古屋なのに“台湾”なのか? また、台湾ラーメンとはどのような味なのか? 名古屋出身のご当地ライターが、台湾ラーメンを再確認してみた。
名古屋を訪れると、味仙に限らずいたるところで「台湾ラーメン」の看板を目にすることができる。味仙によると、台湾ラーメンが広まったキッカケは一時期流行った激辛ブームだそうだ。その時に激辛の台湾ラーメンが注目され、市内多くのラーメン屋が名前もそのままに、こぞって同じ形態のものを提供するようになったという。また県内のスーパーでは、家庭向け袋麺の台湾ラーメンも手に入る。
現在、本家である味仙は名古屋市千種区今池にある本店を筆頭に、愛知県下に8店舗。中部国際空港内にも店を構えているので、来日した本場台湾人と名古屋の本場台湾ラーメンの遭遇が日々おこなわれている可能性(!)もある。興味ある方はぜひのぞいてみては。
(加藤亨延)