薬局、碁会所、ゴルフ場……超ニッチな広告メディアを探せ!
もうすぐ世の中は新商品の季節。この時期になると、道行く人にお試しサンプルを手渡すキャンペーンガールの姿が目に留まる。これはサンプリングと言って、れっきとした広告(販売促進)の手法だ。広告とは分かっていても、ついついもらいに走ってしまう、という人も少なくはないだろう。
広告というと、不要なもの・邪魔なものというイメージもある一方で、消費者もちょっと楽しみになるような、ニッチ広告の世界があることをご存じだろうか。
ニッチな広告事情に詳しい、エスビージャパンの中元さんにお話をうかがった。
中元さんは、プロモポータルという広告メディアの情報サイトを運営している。2010年10月に同サイトをオープンし、半年ほどで700種類以上の広告媒体(メディア)が集まった。
同サイトには、たとえばこんな「ニッチ」広告が掲載されている。
・調剤薬局で手渡される薬袋の裏面にのせる広告
・ドラマや映画の撮影現場に運ばれるロケ弁と一緒に手渡される芸能界向けサンプリング広告
・碁会所の精算時に手渡されるシニア向け広告
など。
こんな所も広告メディアになってしまうのかと、眺めているだけで面白い。
「たとえば、40代以上のビジネスユースとしては、ゴルフ場を活用したサンプリングを提案しています。全国230コースの中から、サンプリング、イベント展示、フラッグに広告を出す、移動するカードにステッカーを貼る、カートにデジタルサイネージを出稿する……など、ひとつのルートをとってもさまざまなシチュエーションにあわせて広告を出せます。
中でも特にオススメなのが、『スコアカード』自体に出す広告です。プレーする中で必ず手に取ってもらえますし、捨てられにくいメディアとして注目を集めています」
中元さんの仕事は、こうして集めたニッチな広告メディアの情報を、広告のターゲットに合わせて提案していくことだ。
たとえば、国際電話カードの販売拡大を目的とした広告キャンペーンでは、日本在住の外国人をターゲットに、全国の教会でサンプリングをおこなう、という手法を提案した。
「いまはニッチ(隙間)と呼ばれる媒体かもしれませんが、私はターゲットが正確にアプローチできる、『ターゲットメディア』と呼んでいます。
私はもともと、企業のプロモーションや広告関係の事業を行っていたのですが、3年程前から、ターゲットが絞り込まれた媒体を探してほしい!との声が多くなってきました。そこでゼロから情報を集めて、ポータルサイト上に集約していきました」
「世の中には本当にたくさんの広告が溢れています。出張や週末の小旅行などで国内いろいろなところへ行くのですが、意識してみていれば、いろいろな媒体を発見できます。
個人的なことですが、先日、妊娠中の腹帯をもらいに関西の著名神社に行ったら、神社からもらう封筒の裏に、赤ちゃん向けおもちゃの広告がでていました。こんな手法もあるのか!と。プライベートのときも全く油断はできないですね、しあわせな職業病です」と苦笑い。
確かに、「広告を探す」という視点で街を眺めると、実に多くの発見がある。
中元さんは、次の展開として、海外のニッチメディアを集めることを始めている。
中国(上海、北京)、ニュージーランドのフリーペーパー、タイのサンプリングメディアなど、今はわずか30種類ほどだが、今後は海外20カ国2,000種類まで増加させる見込み。
「これからも、日本・海外の各地へお邪魔して、新しい広告手法を探していきたいと思います!」
広告は、企業が消費者に押し付けるやり方から一転して、ターゲットにあわせた新しいカタチへよりいっそう変化していくことだろう。
ターゲットメディアの今後に、注目していきたい。
(木本一花)
広告というと、不要なもの・邪魔なものというイメージもある一方で、消費者もちょっと楽しみになるような、ニッチ広告の世界があることをご存じだろうか。
ニッチな広告事情に詳しい、エスビージャパンの中元さんにお話をうかがった。
同サイトには、たとえばこんな「ニッチ」広告が掲載されている。
・調剤薬局で手渡される薬袋の裏面にのせる広告
・ドラマや映画の撮影現場に運ばれるロケ弁と一緒に手渡される芸能界向けサンプリング広告
・碁会所の精算時に手渡されるシニア向け広告
など。
こんな所も広告メディアになってしまうのかと、眺めているだけで面白い。
「たとえば、40代以上のビジネスユースとしては、ゴルフ場を活用したサンプリングを提案しています。全国230コースの中から、サンプリング、イベント展示、フラッグに広告を出す、移動するカードにステッカーを貼る、カートにデジタルサイネージを出稿する……など、ひとつのルートをとってもさまざまなシチュエーションにあわせて広告を出せます。
中でも特にオススメなのが、『スコアカード』自体に出す広告です。プレーする中で必ず手に取ってもらえますし、捨てられにくいメディアとして注目を集めています」
中元さんの仕事は、こうして集めたニッチな広告メディアの情報を、広告のターゲットに合わせて提案していくことだ。
たとえば、国際電話カードの販売拡大を目的とした広告キャンペーンでは、日本在住の外国人をターゲットに、全国の教会でサンプリングをおこなう、という手法を提案した。
「いまはニッチ(隙間)と呼ばれる媒体かもしれませんが、私はターゲットが正確にアプローチできる、『ターゲットメディア』と呼んでいます。
私はもともと、企業のプロモーションや広告関係の事業を行っていたのですが、3年程前から、ターゲットが絞り込まれた媒体を探してほしい!との声が多くなってきました。そこでゼロから情報を集めて、ポータルサイト上に集約していきました」
「世の中には本当にたくさんの広告が溢れています。出張や週末の小旅行などで国内いろいろなところへ行くのですが、意識してみていれば、いろいろな媒体を発見できます。
個人的なことですが、先日、妊娠中の腹帯をもらいに関西の著名神社に行ったら、神社からもらう封筒の裏に、赤ちゃん向けおもちゃの広告がでていました。こんな手法もあるのか!と。プライベートのときも全く油断はできないですね、しあわせな職業病です」と苦笑い。
確かに、「広告を探す」という視点で街を眺めると、実に多くの発見がある。
中元さんは、次の展開として、海外のニッチメディアを集めることを始めている。
中国(上海、北京)、ニュージーランドのフリーペーパー、タイのサンプリングメディアなど、今はわずか30種類ほどだが、今後は海外20カ国2,000種類まで増加させる見込み。
「これからも、日本・海外の各地へお邪魔して、新しい広告手法を探していきたいと思います!」
広告は、企業が消費者に押し付けるやり方から一転して、ターゲットにあわせた新しいカタチへよりいっそう変化していくことだろう。
ターゲットメディアの今後に、注目していきたい。
(木本一花)