【オピニオン】製造業の「2009年問題」を考える−日本人材ニュース
 製造業の「2009年問題」が大きな問題になっている。03年の労働者派遣法改正で物の製造業務の派遣が解禁され、07年3月以降は派遣期間の上限が3年に延長された。06年頃から製造業各社は従来の「請負」から派遣への切り替えを進めたが、上限の3年目が09年にやってくる。


 労働者派遣法では3年を超えて派遣労働者を使用する場合、派遣先は雇用契約の申し込みをしなければならないと規定している(法40条の4)。つまり派遣先企業は契約を解除するか、直接雇用(必ずしも正社員でなくともよい)に切り替えるしかない。

 かといって直接雇用に切り替えれば人件費増による製造コストの上昇をもたらす。09年問題は中小企業を含めた製造業各社の待ったなしの課題を突きつけている。

 実は05年以降の労働者派遣制度の見直しの中で日本経団連を中心とする経営側は「派遣期間の制限撤廃と雇用申込み義務の廃止」を訴えていた。そして今年の通常国会に改正案を提出する目論見であった。

 ところが、昨年の厚労省の審議会の論議では労使の意見が真っ向から対立した。結果的に厚労省は労使の主張の隔たりを理由に法改正案の国会提出を断念。目下、仕切り直しということで2月に発足した有識者による厚労省の研究会で検討が行われている。

 現段階では労使の溝は大きく、労働組合の連合は「経営側の主張は論外」(連合幹部)とし、新たに派遣先が無許可・無届出事業者から受け入れている場合や偽装請負...(もっと読む


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