【オピニオン】派遣会社よ、今こそ独自の戦略構築を−日本人材ニュース
 派遣労働に対する世間の風当たりが強くなっている。違法派遣を繰り返し、廃業に追い込まれた日雇い派遣大手のグッドウィル、あるいは秋葉原の大量殺傷事件の犯人が派遣社員だったことから派遣労働を批判視する向きもある。もちろん、一企業、一個人が犯した事件をもって業界全体が批判的に見られるのは適正に事業を営む企業や派遣労働者にとっては迷惑な話であろう。個人の生活と雇用の安定という視点に立ち、法の不備や改善点があれば正すなど冷静な議論こそ必要だろう。

 周知のように労働者派遣制度は85年の同法制定以降、適用対象業務を拡大し、99年の改正では業務のネガティブリスト化により原則自由化した。さらに03年には、製造業への派遣も認める一方、派遣受入期間の延長など規制緩和が行われてきた。

 しかし、その反面、非正規雇用の拡大を促し、特に登録型派遣が雇用の安定、能力開発、社会保険の加入等の面で多く問題が生じているとの弊害も指摘されている。

 現在、厚労省は登録型派遣の考え方など労働者派遣制度のあり方の根幹に関わる問題について学識者による研究会で検討している。

 また、福田首相も国会終了後の定例記者会見で「日雇い派遣の問題など、派遣労働者を守る制度が空洞化しないよう、法改正も含めしっかりとした対策を講じる」ことを厚労省に指示。厚労省は7月末には研究会の報告をまとめ、審議会の議論を経て、秋の臨時国会に法改正案を提出する予...(もっと読む


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