リーマン・ショックから1年。昨年の今頃と比べ、モチベーションが下がった中間管理職の「次長・課長」が約4割に上ることが明らかになった。モチベーションが下がった理由は、企業の「業績不調」で、「給与」「下がる」「減る」などの用語が、キーワードとなっているようだ。

 人事コンサルティング会社のJTBモチベーションズが、金融、IT、製薬・化学・化粧品の全国の課長クラス、次長クラスの会社員619人に実施した調査によると、昨年の今頃と比べ、「モチベーションが下がった」「やや下がった」と回答した課長は全回答者の37.5%、「一定レベルを維持している」は43.3%、「モチベーションが上がった」「やや上がった」という課長は、17.9%だった。

 モチベーションが下がった理由として、64.7%が「職場や組織の業績が不調」を選択した。自由記述では、「給与」「下がる」「減る」というキーワードが頻出し、「仕事で成果を挙げても給与が上がらない」などの窮状が報告されている。

一方、モチベーションが「上がった」「やや上がった」「一定レベルを維持している」という課長387人のうち51.2%が、「自分で意識してモチベーションを保つようにしている」など努力している姿が浮かび上がった。

  モチベーションが上がっている課長は、「極力、部下の良い点を見る(45歳、神奈川、IT)」「成功体験等を読んで疑似体験を通じて、そこを目指そうと努力する(41歳、滋賀、製薬)」など、「部下」「コミュニケーション」「読む」などのキーワードで、自らのモチベーションアップを実現しているようだ。

  また、この1年間でモチベーションが上がったときの、特徴的なキーワード(自由記述)は、金融では「達成」「目標」「上司」、ITでは「顧客」、製薬・化学・化粧品では「業績」だった。一方、モチベーションが下がるときのキーワードは、金融は「上司」、ITは「プロジェクト」、製薬は「会社」だった。

  業種別では、ITの課長にモチベーションの低下傾向が見られ、深刻な景気低迷の影響が見られる。

  部下のモチベーションアップ対策では、部下の支援・育成を実行している課長は、「社内でも評価されるような、その部下にとって実現可能な課題を与えている」など、仕事に密着した、具体的なモチベーションアップ策を実施しているが、実行していない課長は「言葉に出して褒める」などの言葉かけによるモチベーションアップ策や、「一緒に酒を飲む」などのノミニュケーションでやる気向上を図っているようだ。

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