7月17日、女性のための商業ビル“Luz”が華々しくオープンした。Luzに見るモノが売れない時代の突破口となるマーケティング戦略とは?

7月17日、自由が丘に話題の商業施設“Luz”がオープンした。

地下1階、地上8階、総延床面積はおよそ3万平方メートルに及ぶビルの中には、国内外のファッションブランドや雑貨、アクセサリーショップ、カフェ&レストランなど20店舗が所狭しと立ち並ぶ。

一見普通の商業ビルと変わらないLuzが話題になっているのは、ターゲットを女性に絞り込み、女性に絶大な支持を受ける店舗ばかりを集めたこと。

つまり、Luzは女性のためのいわば“女性専用”の商業施設というわけだ。

女性がショッピングできる場所は東京に数多くあれど、自由が丘というおしゃれな場所にライフスタイルに敏感な女性に人気の店を一ヶ所に集結させて、利用者の利便性を高めて他の商業施設と差別化を図る戦略だ。

Luzはその話題性が人気を呼び、オープン当初から多くの女性が訪れた。

このLuzを仕掛けた丸紅は、今秋には大阪に“Luz心斎橋”オープンさせるなど、今後全国規模での展開を視野に入れる。

ここで商業施設のビジネスモデルを一般的に考えれば、ターゲットをあまりに狭め過ぎない方が多くの人が足を運んでくれそうだ。

ところが、Luzは逆転の発想で、利用者を限定することにより、他の施設とは差別化された空間を提供する戦略に不況突破の命運を託す。

100年に一度の不況と叫ばれモノが売れなくなる時代に、企業とすればターゲットを広げれば広げるほど売上が上がるのではないかという錯覚に陥ることもあるかもしれない。ただ、大半の場合はその逆のパターンであろう。ターゲットを広げたばかりに自社の提供する製品やサービスの特徴が薄まり差別化要因がなくなって売上を落としていくのだ。

マーケティングとはターゲットとするお客様の渇望をつぶさに知り、それを満たすことに価値を感じていただくプロセスである。


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