ロッテリアは食べた後でも返金に応じる外食産業では珍しい試みを開始した。果たしてそのマーケティング戦略の背景にあるものとは?

ロッテリアは本日より「絶妙ハンバーガー」(360円)を発売する。絶妙ハンバーガーは、肉の種類や部位を厳選した上に、トマトやたまねぎなどの野菜も新鮮なものにこだわった「絶品ハンバーガー」シリーズの第2弾だ。

ロッテリアとしては商品の品質に絶対的な自信を持って送り出す新製品だけにその販売手法にも自信の表れが見て取れる。

なんと「絶妙ハンバーガー」を食べてみて満足しなければ全額返金に応じるというのだ!

全額返金保証については他の業界で見かけることはあるが、外食産業では実に珍しい試みである。

食品では返品に応じるとその商品を再販するということが不可能なため、丸々損失に繋がる。ただ、ロッテリアでは通常商品に対するクレームが1%〜5%のために、最大でも5%程度の低い返金率を見込んでいる。

それでは、なぜロッテリアは購入後の返金に応じるのだろうか?

実はこの手法はマーケティングでは『リスク・リバーサル』と呼ばれて、多くの業界で活用されている。実際に弊社でもこのリスク・リバーサルを行ったことがある。

企業がこのリスク・リバーサルを活用する理由は顧客の購入に対する障害を低くすることにある。

消費者というのは、特に初めての商品やサービスを利用する際に、常に不安が付きまとうものである。

『この商品やサービスは本当に自分の望むものだろうか?』
『本当に支払う金額以上の価値があるのかだろうか?』

などの不安が購入をためらわせ、売り手の企業側にとってその消費者の不安は取りも直さず販売機会の喪失に繋がっていくことになる。

そこで、“一度購入しても気に入らなければ返品してもOKですよ”とリスク・リバーサルを提案すれば、消費者は購入に対するリスクが全く無くなることになり、お試しとして気軽に購入できるようになる。


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