会社員をやっていて辞表を叩きつけたくなることは一回や二回ではないのではありませんか。また中にはテレビドラマみたいに、「辞めます」と辞表を出したところ、「ふざけるな!」と大門部長刑事に一喝され、辞表をビリビリ破かれ、慰留されるなんてことを想像する方もいるかもしれません。
辞意を会社に出すとどのようなことが起こるのでしょうか。

正確に言いますと「退職願」「退職届」「辞表」の意味は異なりますが、実質差はありませんし、法律ではタイトルより実体、つまり中身が重要です。これらの定義は本旨ではありませんので割愛します。めんどくさいので辞表にしましょう。
通常は直属の上司に提出するのが一般的です。役員や社長にいきなり、というのはほぼカミカゼアタックみたいなもので、そもそも会社員としての常識を疑われてしまいます。

上司は基本的に部下の管理責任を持っています。つまりリストラでもないのにどんどん社員が辞められては組織維持が出来ない訳で、「辞めさせない」ことは、重要な管理職責任です。ただし、「辞めさせたくない」のはやはり会社貢献度の高い優秀な社員であり、問題社員やリストラ社員がばしばし辞めて行った場合には、その上司はむしろ会社からの覚えはめでたくなるかも知れません。

ですからご自身が会社にとって「必要」度が高ければ高いほど、「辞めます」カードは効果が高まる訳です。実際にあった例ですが、ある企業では業績不振からリストラをしていました。その対象となった方が、理不尽な会社のやり方に腹を立て、辞表を事業本部長に叩きつけたのです。
突然現れた一担当に、普段顔を会わせることも無い事業本部長は驚きましたが、さすがに管理部門一筋のツワモノ。「あなたのお気持は重く受け止めます」と丁重にその辞表を受け取りました。


続きはこちら