元テレビ局員の下矢一良氏が自身のYouTubeチャンネルで「CM業界に大変化が起きています。テレビ朝日のAI広告から見えるテレビの未来とは【AI メディア】」を公開した。動画では、テレビ朝日が完全AIで制作したCMを放送した事例を挙げ、その背景にあるテレビ局の現状と広告業界の未来について独自の視点で解説している。

下矢氏は、今年8月にテレビ朝日がサントリー「GREEN DA・KA・RA」のCM映像を完全AIで制作・放送した事例に言及。「今のテレビ局の置かれた難しい状況がよく出ている」と述べ、テレビ局が自らAIでCMを作る理由を3つの側面から分析した。1つ目は、AIを使ったCM制作自体がニュースとして話題を生むというPR効果。2つ目は、テレビCMが以前よりも売れにくくなっている中で、制作費を新たな収入源にしたいという経営面の事情。3つ目は、広告会社を介さずにスポンサーのニーズに直接応えたいという営業面の狙いである。これらを挙げつつ、自社制作によって番組連動CMやセット割などの「新しい売り方」が可能になると指摘した。

また、下矢氏はAIの導入によって「テレビCMのネット広告化」が進むと予測する。これまでは数千万円の費用をかけた渾身の1本しか作れなかったが、AIを使えば安価で大量にCMを制作できるようになる。これにより、ネット広告のように視聴者の属性に合わせたABテストが可能になると語った。さらに、スポンサーごとに適切な時間帯や広告を提案する「作案」と呼ばれる作業にもAIが導入され始めている現状を紹介し、テレビ広告の効果がより高まっていくと指摘した。

最後に下矢氏は、今後のテレビCMがデータに基づいた計算し尽くされたものになる一方で、「何じゃこりゃ?」と驚くような不合理な面白みのあるCMが減っていく可能性を示唆。効率化が進む業界に対して、「少し寂しいところはある」と本音を漏らしつつ、テレビCMの大きな転換期について余韻を残して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元テレビ局員の視点から、業界の裏話やテレビ出演の秘訣をお届け!普段はなかなか聞けない、メディアを活用したビジネス戦略やPRの裏ワザを正直にお伝えします!! 略歴:PR戦略コンサルタント。テレビ東京に入社し『ワールドビジネスサテライト』『ガイアの夜明け』を製作。その後独立し、中小企業を中心に広報・PRの支援にあたる。