【蜜ツ冶】イオングループでも突出して高い…スーパー業界で「まいばすけっと」だけが「異例の高時給」を設定している理由
「まいばすけっと」の時給が話題に
イオングループの小型スーパーマーケット「まいばすけっと」が、都内を中心とする首都圏で店舗数を増やし、勢力拡大を進めている。1つの駅周辺だけでも数店舗出店しているケースもあるほどだ。
そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのまいばすけっとだが、最近“アルバイトの時給が高すぎること”が話題に。SNSでは以下のような声が挙がっていた。
《まいばすの深夜時給が異様に高いおかげで、「いざとなったら会社を辞めてまいばすでバイトすればいい」と思える》
《知り合いの東大生が家庭教師のバイトを辞めてまいばすけっとに変えたって言ってた》
《ちょっとした正社員よりまいばすの方が稼げるのでは?》
実際にまいばすけっとの都内店舗の時給を見てみると、日中の時間帯はエリアを問わず時給1460円~1520円以上を掲げる店舗が多く、東京都の最低賃金(10月1日から時給1280円)を大幅に上回っている。さらに深夜帯になると1900円程度まで跳ね上がる店舗も散見されるのだ。
同業他社の都内のスーパーでは日中は時給1200円台~1300円台がほとんどのため、まいばすけっとの給与設定がいかに異例なのかがわかるだろう。
長年、低賃金が問題視されてきたスーパー業界において、なぜ、まいばすけっとだけがこれほどの高時給を実現できているのか。流通アナリストの中井彰人氏に解説していただいた。(以下、「」内は中井氏のコメント)
高時給の背景にあるもの
まいばすけっとの高時給の背景には、スーパー業界における各社の競争があると中井氏は指摘する。
「前提としてスーパー業界は深刻な人手不足に陥っています。長年、業務負担の大きさに対して低賃金という印象が根強かったため、人材をいかに自社に呼び込めるかが存続の鍵となっていました。そんななか、他社よりも高時給を実現することで人材確保競争を大きくリードしているのが、まいばすけっとの運営母体であるイオングループなのです」
イオングループは今年2月、春季労使交渉における組合要求への回答としてアルバイト従業員の時給を101.8円(8.38%)引き上げている。これは前年の引き上げ幅より20.8円高く、同グループでは4年連続でアルバイト時給の賃上げ総額が7%以上となるなど、時給の改善を重要視していることが伺える。
イオングループのなかでも突出して高い
だが、イオングループが運営するスーパーのなかでも、まいばすけっとの時給が突出して高くなっているのはなぜなのか。
「それは、イオングループ内のみならず、業界全体で見てもまいばすけっとが店舗数を大幅に伸ばしていることが関係しているでしょう。
まいばすけっとは2005年に神奈川県横浜市に1号店を開店しましたが、当時首都圏では新しいスーパーが生まれにくい状況が続いていました。空き地が不足しており、また再開発や区画整理で敷地ができても、大型スーパーを建てるには潤沢な資金が必要だったからです。
しかし、まいばすけっとは閉店したコンビニの跡地に入るという、他のスーパーが目をつけていなかった新しい活路を切り開き、頭打ちとも思われた業界の状況を打破したのです。そうしてコンスタントに増加し続けた結果、2025年には1300店舗を達成。今も店舗は増え続けています。
まだ設立から20年少々とスーパー業界では“新顔”でありながら快進撃を続けるまいばすけっとだからこそ、他社より多くの人材を集める必要があり、そのために高時給という手段は必然だったのでしょう」
【つづきを読む】まいばすけっと「異例の高時給」の背景にあった、「鮮度の高さ」を追い求めない売り場づくり
