サウジアラビア初の自動車メーカー『シアー(Ceer)』(前編) 斬新なSUVとセダン発売へ 経済多角化のカギを握る新興企業
EVシリーズ2車種を展開
サウジアラビア初の自動車メーカーである『Ceer Automotive(シアー・オートモーティブ)』は、斬新なデザインの2車種のEVを発表した。2030年までに7車種のラインナップをグローバル展開するという野心的な計画を掲げている。
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2022年に設立されたCeerは、サウジアラビアの投資ファンドPIFと台湾のメーカーであるフォックスコン(鴻海精密工業)による合弁企業だ。石油依存から脱却し、経済の多角化を図るサウジアラビア政府の「ビジョン2030」計画の一環として設立され、国内の自動車製造業を「活性化」させることを目指している。

『Exobot』シリーズのSUVとセダン Ceer Automotive
Ceerは、サウジアラビア西海岸のキング・アブドラ経済都市に工場を開設した。同都市は自動車産業の拠点となることを目指しており、現在PIFが所有する米国のEVメーカー、ルーシッドも、ヒョンデ・トランスシスをはじめとするサプライヤー企業とともに工場を建設中だ。
当初、Ceerはサウジアラビアおよび周辺の湾岸地域での販売に注力する。まずは『Exobot(エクゾボット)』と名付けられた、高性能かつ高級志向のEセグメントのフラッグシップモデル2車種を展開する。セダンとSUVの両モデルとも、斬新なウェッジシェイプ・デザインを採用し、市販車の中で最大とされる大型のガラスルーフを備えている。
皇太子の肝いりプロジェクト
AUTOCARのインタビューに応じたCeerのジェームズ・デ・ルカ社長は、こうした斬新なスタイリングについて、PIFの会長も務めるムハンマド・ビン・サルマン皇太子によって直接推進されたものだと語った。
「皇太子殿下は本当にわたし達を厳しく突き動かしてくださいました」とデ・ルカ氏は述べている。

『Exobot』シリーズのSUVとセダン Ceer Automotive
「わたしはこの業界に47年間携わってきましたが、当社のデザイン責任者であるロブ・メルヴィルはマクラーレン出身です。わたし達はかなり良い仕事をしたと思っていましたが、取締役会からは『他社が世界中でやっていることを見せるな。我々が求めているのは、新しく、ユニークで、他とは違うものだ』と言われました」
「わたし達は、世界がこれまで見たことのないようなものを提供します。そして、これらのクルマを発売すれば、世界は注目するでしょう」
ExobotのSUVとセダンには、32個のエレメントからなる特徴的なライトバーが採用されている。この数はサウジアラビアが統一された1932年にちなんだものだ。さらに大型のガルウィングドアも備えているが、デ・ルカ氏は「わたし達はこれを『ドア』と呼んでいますが、実際には車体の側面全体と言った方が適切でしょう」と述べた。
Bピラーがなく、ドアは標準的なドアと同じスペース内で開くように設計されている。
開発はすでに最終段階
インテリアは、ダッシュボード中央のタッチスクリーンと物理ボタンを組み合わせたレイアウトとなっている。新技術を数多く採用しており、ステアバイワイヤ・システム、スピーカーの代わりとなるエキサイターのほか、フロントガラスには熱を反射するための特殊なシルバー仕上げが施される。
SUVは砂漠での使用を想定し、高いオフロード性能を備えているという。デ・ルカ氏は、「サウジアラビアだけでなく、より広範な湾岸地域の人々にインスピレーションを与えるようなユーティリティビークルを作りたかった」と述べている。

『Exobot』シリーズのセダン Ceer Automotive
同氏によると、Exobotのテストおよび試作はおおむね完了しており、現在は最終的な製品検証段階にあるという。量産は2027年1月に開始され、同年3月から顧客への納車が行われる予定だ。
デ・ルカ氏は、ゼネラル・モーターズ(GM)のエンジニアリング職を長年務めてきたが、以前は経営難に陥ったベトナムのスタートアップ企業ビンファストのトップを務めていた。
同氏は、「製品の準備が完全に整うまでは、何も行動を起こしません」と断言した。
「Ceerは世界45か国から集まった専門家チームと、非常に明確な車両開発プロセスを有しています。ただ思いつきで行動するだけのスタートアップではありません」
(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます)

