《窃盗の瞬間を捉えた防犯カメラ》「Tシャツ姿の男が電動芝刈り機に乗って逃走」中学生硬式野球チーム「真岡ボーイズ」を襲った連続窃盗事件の一部始終
暗闇に包まれた野球チームのグラウンドに、ハーフパンツにTシャツというラフな姿の男が現れた。手に持った懐中電灯で辺りを照らし、敷地内の倉庫にある防犯カメラを発見するやいなや、よじ登って取り外す。その後、慣れた手つきで倉庫の扉に繋がれた南京錠付きの金属製チェーンを工具で切断し始めた──。
【写真を見る】「ハーフパンツにTシャツ」というラフな姿の男が窃盗に及ぶ瞬間を捉えた防犯カメラの映像
卑劣な犯罪が発覚したのは、8月26日の朝だった。栃木県の中学生硬式野球チーム「真岡ボーイズ」のメンバーが自主練のためグラウンドを訪れると、倉庫内にあったはずのボールが周囲に散乱しているのを発見したのだ。
同チームの櫻井友紀夫代表が被害の惨状を語る。
「生徒から連絡を受けて知りました。扉を開けられないように南京錠をチェーンで繋いでいたのですが、壊されてなくなっていました。倉庫内を確認すると、芝刈り機や発電機といった高価なものを中心になくなっていた。犯人は倉庫入り口に設置していた防犯カメラを外して持ち去っていましたが、実はもう1台、カメラがあり、犯行はそこに記録されていました」
というのも、同チームの倉庫は7月にもチェーンを破壊され、中の備品が盗まれる被害に遭っていた。そのため、新たに防犯カメラを2台設置していたのだ。犯人はこのうち1台には気づいて取り外したが、もう1台あることには気づかなかった。無事だった方の防犯カメラの映像を確認すると、画質は粗いものの、男の姿がしっかりと映っていた。
被害に遭ったグラウンドは鬼怒川の河川敷にあり、ゴルフ場と隣接している。周囲は木々が生い茂り、目視できる範囲に民家はなく、道路からも奥まった場所にあるため人通りもほぼない。夜間に訪れると明かりもなく、虫の声だけが響く暗闇となる。犯人はこのような立地に目をつけ、計画的に犯行に及んだとみられる。
冒頭のように、懐中電灯を持った男が突然モニター越しに現れたのは、8月25日深夜0時過ぎだ。
「防犯カメラは上から撮影しているので、男は細身に見えますが、実際はガッチリとした体格の可能性が高いそうです。ラフな姿の男が倉庫の扉の前に行くと、すぐに防犯カメラに気づき、倉庫の屋根の上によじ登って取り外していました」(同前)
7月の被害時に防犯カメラはついていなかったため、同一人物による犯行かは不明だ。しかし男は慣れた雰囲気で"作業"を進めているように見える。そして倉庫内のボールを散乱させて中を物色し、最も高価な「操縦者が乗るタイプの電動式芝刈り機」に目をつけた。
「保護者の寄付で購入したもので、100万円ほどします。男はまずこれに乗って、防犯カメラの画面外へと移動していきました。7月に被害に遭った際にもこの芝刈り機は置いてありましたが、かなり大きいためか、その時はそのまま残っていました。もし同じ男が犯人なら、どこかに運ぶ用の車を準備して、用意周到に盗んだのかもしれません」(同前)
その後、男はグラウンド内に車で戻ってくると、発電機などを積み込んで走り去っていった。
「車の車種はわかっています。ナンバーも画質は粗いですが、警察が専門の解析などをすればわかるかもしれません。すでに被害届を出しており、今は一刻でも早く犯人が捕まってほしいという思いです」
7月に盗まれたのは、発電機2台に携行缶、ドラム式コード、ボールなどだった。夜間の練習やピッチングマシンを使用するのに電気が必要なため、新しく買い直した発電機2台が、1か月も経たずに再び奪われることになったのだ。
「1回目の被害を受けて、扉を閉めるチェーンを頑丈なものに変えましたがダメでした。保険にも入ったのですが、適用される9月1日よりも前だったため、利用することもできません」
2回の窃盗被害による総額は150万円ほどにもなるという。照明器具やピッチングマシンが使えないことで、選手たちの練習にも影響が出ている。
「金額というよりも、大人は子どもたちを応援する立場にあるはずです。子どもたちが好きなことをするのを妨げるということは、絶対にあってはならないことだと思っています」
現在もスタッフらが手分けして見回りをしているという。犯人はなぜ野球チームの倉庫を狙ったのか。栃木県内では侵入盗が相次いでいることもあり、県警の捜査の進展に注目が集まる。
