【インフルエンザ】まだ9月なのに…大阪で「流行入り」ワクチンはすぐ打つべき?冬まで待つ?“効果切れ”を心配する声に専門家「早めの接種を」のワケ【解説】
過去2番目という異例の早さで、日本全国でインフルエンザが流行期に入りました。
【画像を見る】例年と比べてどれだけ早い?インフルエンザ「定点あたり報告数」の増加グラフ
大阪府内でも感染が拡大しています。大阪府感染症情報センターによると、今年はお盆の時期から動向を注視していて、直近のデータでは1医療機関あたりの患者数が流行開始の目安である「1」を超えて1.38人に達したということです。
これは去年に比べて2週間早く、府内の高校ではすでに学級閉鎖が相次いでいます。
現場の医療機関からは「例年なら早くても10月下旬。かなり早い印象」(葛西医院・小林正宜院長)との声が上がっていて、通常は10月ごろに始まるワクチン接種を前倒しして今月24日から対応を進める動きも出始めています。
このインフルエンザ早期流行の理由や今後の見通し、そしてワクチン接種のポイントについて、葛西医院の小林正宜院長に詳しく聞きました。
大阪府内全域で流行期入り 現場での実感は?
--インフルエンザが大阪府内全域で流行期に入りました。定点あたりの患者数が1を超えると流行入りとなりますが、8月24日~30日は0.77だったものが、8月31日~9月6日には1.38に跳ね上がりました。日頃の診察で、どのような実感をお持ちでしょうか。
「やはり早いという印象です。定点あたり0.7くらいの時期に発熱患者さんが多くなってきた実感はあったのですが、先週あたりから実際に増えてきて、いまは1日1人ほど(インフルエンザの患者が)出てきているので、流行に入ったなという実感があります」
今シーズンは爆発的な流行になるのか
--今後さらに感染が拡大し、今シーズンはこのまま爆発的な流行になるのでしょうか。
「今年は去年、一昨年よりも随分早い状況ですね。例年は10月下旬ごろから流行りはじめ、11月、あるいは12月にグッと流行ることが多く、9月に流行ることはまずありません。“コロナ明け”の時期は抗体の関係で流行が早かったこともありましたが、通常の感覚からするとかなり早いです」
「そのため、このままどんどん上がるかどうかは分からない部分もありますが、1を超えてさらに数字が上がっていき、5を超えたあたりになると、流行は確定的になると思われます」
気温・湿度と流行の関係
--インフルエンザは冬に流行るイメージがありますが、気温や湿度との関係はあるのでしょうか。
「ウイルスは冬の方が感染力が強くなるわけではないのですが、乾燥していたり気温が低かったりすると、ウイルスが死滅しないようになっていきます。湿度が高くて暑いとウイルスはうつりにくいのですが、一方で亜熱帯地域や沖縄などは実は通年流行していたり、夏にも流行期があったりします」
「なかなかその仕組みは一筋縄ではいかないところもありますが、一般的に本州ではやはり冬の方が流行る傾向があります。これから気温が低くなっていくと、やはり流行していく傾向になるのではないでしょうか」
異例の早期流行入り 考えられる「2つの原因」
--異例の早期流行入りの原因について、どう見られていますか。
「海外からのインバウンドの影響は1つあると思います。東南アジアでは年中流行していますので、そういった方々が来られると感染の機会は増えます。ただ、それが全ての要因かと言われたらそうではありません」
「一方でオーストラリアは南半球なので5月や6月に流行するのですが、実は今まさに流行しています。つまりオーストラリアは流行が遅れていて、そうした影響もあるかもしれません」
「もう1つは、この夏の暑さが影響している可能性です。例えばお子さんはこの暑さだと外に行かず、部屋の中でクーラーをつけてみんなで遊ぶ機会が増えます。そうすると窓を開けることもないため、感染する機会が増えるのではないかと考えられます。ただ、決定的な原因というのはまだ分からないのが現状です」
今年流行している型とワクチンの効果
--今年流行しているのは、2009年に新型インフルエンザとして感染拡大した型(A型 H1N1 pdm09)ということです。この型への対策はどう考えればよいでしょうか。
「2009年に新型インフルエンザとして流行が爆発的に増え、重症な患者さんも多かったのですが、A型インフルエンザの場合はタイミングによって型が変わることがあります。その後、この型がスタンダードなタイプになっており、去年も約7割のウイルスがこの型でした。現在はその型もワクチンの中でカバーできています」
「A型もB型もカバーしており、外れることはまずありませんので、極端に恐れる必要はないものと考えられます」
ワクチンはいつ打つべき?「早めの接種を」
--ワクチンの接種時期について、高齢者向けの定期接種は自治体の判断で早期開始が可能とされていますが、任意接種を含めクリニックなどでの開始時期や接種のタイミングはどう考えたらよいでしょうか。
「結論としては、早めに打っていただいた方がいいのではないかと思っています。若い方は10月に打っても9月に打っても(価格が)変わりませんので、できるだけ早めに打てるというのが理想的です」
ピーク時に“効果切れ”とはならない?
--早めに接種すると、冬の流行ピーク(12月~2月)に効果が切れてしまわないか心配する声もあります。
「多くの方が心配されるポイントですが、流行が始まろうとしている今まず予防しなければ、ワクチンを打つ意味がなくなってしまいます。ですので、タイミング的には今打つのが良いのではないでしょうか」
「ワクチンの効果は約3~4か月、データによっては6か月持続するというものもあります。急激に効果がなくなるわけではなくゆっくり落ちていくため、2月頃までは持続します」
大人は「早めでも1回打っていただければ大丈夫」
「また、ワクチンを打った後に感染すると、症状が出ない『不顕性感染』となり、それによって抗体が再び復活する『ブースター効果』が得られることもあります。ですから、ピークが後ろに来たとしてもワクチンを打っていればそれほど心配することはないのではないかと思います。1シーズンに2回打つのはお子さんだけですので、大人の方は早めでも1回打っていただければ大丈夫です」
急激な感染拡大を見せる今年のインフルエンザ。ピーク時の失効を極端に恐れるよりも、流行が始まっている「今」のタイミングに合わせた早めの予防接種と基本的な感染対策が重要になりそうです。
(2026年9月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
