「キオクシアに手を出すのは大谷翔平と戦うようなもの」──10年以上負けなしの専業トレーダーが選ぶ“二軍銘柄”の実名

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 本稿で紹介している個別銘柄:キオクシア(285A)、ファナック(6954)、安川電機(6506)、とナブテスコ(6268)、ユニチカ(3103)、エクサウィザース(4259)、JX金属(5016)

 10年以上にわたって、年間収支でマイナスを出したことがない専業トレーダーターザン氏。その主戦場は、話題を集める人気株から意図的に外してある。デイトレードに置く資金の上限をどこで区切るのか、触る銘柄をどんな数字で絞り込むのか、そして本当に強い銘柄をどう見分けるのか。勝ち続けるための土台の作り方を聞いた。全3回の第2回。


勝つほど、デイの資金を減らしていく。1000万円で線を引く理由


 「デイの資金は500万円から1000万円の間で回しています。1000万円を超えたら、超えた分は長期の口座に移す。勝ったら長期に入れて、勝ったら長期に入れて、というのを繰り返していますね。リスク管理の意味もありますが、デイで1000万円以上を持つと、それを使える銘柄が限られてくるんです。銘柄によって、これくらいの資金でないと回らない、というのがあるので、結局お金を遊ばせることになる」


 1000万円規模の注文を無理なく出し入れするには、十分な売買代金や板の厚みが必要になる。中小型株で同じ額を入れれば、自分の買いで株価が上がってしまい、売るときも買い手が足りずに売り切れない。資金が増えるほど、触れる銘柄は減っていく。


 資金が増えたらロットも大きくする、というのが一般的なやり方だろう。ターザン氏は逆で、デイに置く額を一定に保ち、増えた分は長期口座へ移していく。資産が増えても、これまでと同じ銘柄を同じロット、同じ感覚で触り続けられる。それがこのやり方の利点だ。

大谷翔平とは戦わない」キオクシアを買わない理由


 話題性の高い銘柄には、資金力も技術も上回る投資家が集中する。売買代金が膨らみ、値動きも活発になるため、一見するとデイトレードには好条件に映る。ところがターザン氏はこう警告する。


 「例えばキオクシア(285A)は、著名な投資家も多く見ていますし、非常に注目度の高い銘柄ですよね。参加者も多く、競争が激しい。私はそういう場所をあえて避けて、もう少し注目が集中していない銘柄を主戦場にしています。キオクシアはもう1年ほどトレードしていません。あの場所で戦うのは、大谷翔平と高校球児が対戦するような感覚なんです。だったら、わざわざそこで勝負する必要はない。高校球児なら高校球児同士で戦える場所を探す、という考え方ですね」


 デイトレードでは、他の市場参加者と同じ値動きの中で利益を取り合う。値動きが大きいからといって、それだけで勝ちやすいわけではない。勝率を上げるより先に、勝てない場所に立たないことを優先する判断だといえる。


 「株は値動きが大事なので、値動きがある時期は割と積極的に入ります。ただ、それでもキオクシアのような銘柄には入りません。あえて注目が集中しすぎていない中で、しっかり値動きがある銘柄を狙います」