政治団体「ゴリラ」結成、参加意向の16人は誰? 「現職4人」は「怪文書」、計算上は1〜3人
2026年2月の衆院選に中道改革連合から出馬し、落選した前衆院議員3人が8月19日に国会内で記者会見し、政治団体「護憲リベラル共生(略称・ゴリラ)」を結成すると発表した。
会見したのは川内博史、阿部知子、平岡秀夫の3氏で、川内氏と阿部氏が共同代表、平岡氏が幹事長を務める。3人を含む16人が参加の意思を示しているというが、残る13人の氏名は「非常に微妙な時期」だとして明らかにしなかった。現職国会議員については、川内氏が「4人ではない」とする一方、政党要件となる5人には満たないことも明らかにされた。計算上は1〜3人となるが、具体的な人数は明らかにされなかった。
議員会館の会議室借りたのは中道・野間健衆院議員
「ゴリラ」の設立宣言では、憲法を尊重、擁護して「自由、平等、寛容」を広げ、格差や差別、排除をなくすとうたっている。戦争については「先ず反省と謝罪こそが政治がなすべきこと」とも指摘し、平和な「共生社会」の実現を掲げた。
基本政策には、憲法9条の堅持、男女を問わない長子による皇位継承、円安・物価高への対応、ジェンダー平等、脱原発、日米地位協定の見直しなど11項目を挙げた。
川内氏は自身について、「私は変わり者ですから、日本国憲法の前文を毎晩読んで寝ている」と明かした。憲法の大切さや、その理想を実現する必要性に危機感を持つ人が多いと指摘。2月の衆院選の結果、国会内で護憲を明確に訴える勢力が弱くなったとして、「小さな一歩かもしれない。失敗するかもしれない」としながらも、後に続く人々のために団体を立ち上げたと説明した。
阿部氏によると、16人は現職国会議員と国会議員経験者で構成。そのうちのひとりが立憲の石川大我・前参院議員。会見場に姿を見せ、Xで参加の意向を表明した。ある記者は、16人全員の名前を把握しており、その中には現役議員4人が含まれると指摘したが、川内氏は
「4人じゃないですから。そこはちょっと否定しておきます。16人の名簿を持っているとおっしゃったが、それは怪文書」
と否定した。さらに、現職議員が政党要件を満たすために必要な5人いるかについては「満たしておりません」とした。現職が含まれることは認めているため、その人数は1〜3人ということになる。
会見場になった衆院第1議員会館の会議室の入口には、中道の野間健衆院議員が部屋を借りたことを示す表示があった。ただ、阿部氏は、現職が所属しているのは「立憲民主党」だと説明。野間氏が16人に含まれるかについて説明はなかった。
川内氏は中道、平岡氏は立憲と「掛け持ち」
登壇した3氏の所属も、それぞれ異なっている。
阿部氏と平岡氏は中道改革連合を離党したが、川内氏は現在も中道に所属する。川内氏は、中道、立憲、公明による合流協議について、「合流が自己目的化」することに反対してきたと説明。それぞれの立場で政治活動を行い、協力関係を築く方が重要だとした。
自身の去就については、8月末にも出るとされる合流協議の結論を見た上で判断するとし、現段階では未定だとした。中道の会議では「立憲に戻り活動をしたい」とも伝えているという。
平岡氏は中道を離れた後、立憲に一党員として改めて入党した。その理由として、27年春に控える統一地方選で従来の仲間を身近に応援することや、安全保障、原発政策について自らの考えをより率直に訴えることを挙げた。
立憲にとどまる理由については、
「完璧だと思って戻っているわけではない。今ある中では、より私の考え方に近いので戻っているだけ」
と説明。立憲が変わらなければ、再び離党する可能性もあるとしながら、当面は「私が望んでいる立憲民主党になるように」努力するとした。
今後の展開について、阿部氏は「政党としての結成も視野に入れている」とする一方で、
「政党再編みたいな、くっついて離してどうするかとか、そういう立場には立たず、もともとのしっかりした政策議論を、オープンにやりたいというので、『政治団体』という形でスタートをさせていただいた」
としている。参加者に離党を求める考えはないとしており、16人の中には、立憲、中道以外に所属している人もいると説明。既存政党に所属したまま参加できる政治団体という形を取ったことで、党派横断的な活動を展開することになりそうだ。
「ゴリラ」には「優しいイメージ」「意志を曲げない」「コツコツ頑張る」
ユニークな略称「ゴリラ」は、川内氏自身が考案したものではないという。
川内氏は、26年2月の衆院選後、各地の会合で「護憲リベラルという旗を掲げ、高市内閣に対峙する」と訴えてきた。7月中旬ごろ、ある労働組合の会合で同様の発言をしたところ、若い組合員から、
「それは川内さん、ゴリラですね。ゴリラっていう略称にしたらいいですよ」
と提案されたという。
川内氏は「それは面白いね」と受け止め、阿部、平岡両氏に提案。ゴリラには「非常に力強い」一方で、草食動物としての「優しいイメージ」や、「意志を曲げない」「コツコツ頑張る」といった印象もあると説明した。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

