高市早苗・首相を後押しする「日本会議」の実態とは

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 高市政権の支持率急落の原因とも言われているのが、旧宮家養子案の皇室典範改正だ。強引に採決を進めた裏で何が起きていたのか。取材を進めると、高市早苗・首相にとって数少ない支持団体とされる組織の存在が浮かび上がってきた。選挙で大勝して国民からの幅広い期待感に立脚していたはずの総理大臣をめぐって、確かな異変が進行している――。【第1回】

皇位の男系継承を守る養子案は "一丁目一番地"

「国論を二分するような大胆な政策、改革にも果敢に挑戦していきたい」

 言葉通り、高市首相は国民の賛否が割れている旧宮家男子と皇族の養子縁組を可能にする皇室典範改正、国旗損壊罪などを短時間の審議や強行採決で次々に成立させた。

「国論を二分」する政策を国会で議論しないまま実行していく強引な政治手法が支持率急落をもたらしている。

 そうした高市首相の政策を強力に後押ししているのが保守系団体「日本会議」だ。

 保守系団体の動向に詳しい『宗教問題』編集長の小川𥶡大氏が指摘する。

「日本会議は安倍晋三・元首相の強力な支持団体として注目された団体。保守系新宗教・生長の家の創始者・谷口雅春は『日本国憲法を破棄し、戦前の大日本帝国憲法に戻す』という主張でしたが、その影響を受けたとされる日本会議は、皇位継承は神代からの伝統である男系男子で継承すべきで、女系天皇につながる女性宮家は創設反対、選択的夫婦別姓も日本の伝統的な家族関係を壊すので絶対反対と主張してきました。

 女性・女系天皇も選択的夫婦別姓も世論調査では賛成が多いのに、政府・自民党がそれを実現しないのは日本会議が自民党の支持基盤でもあるからです。ただし、日本会議は安倍政権時代に岩盤保守層に支持を広げ、政治的影響力を強めたものの、安倍氏の死後、リベラル派の岸田政権、反安倍路線の石破政権と続いたことで勢いが失速、政治的影響力も低下していた。それが安倍後継を自任する高市首相の登場で勢いを取り戻しつつあり、高市政権の政策に強い影響を与えているとされます」

 日本会議が力を入れたのが旧宮家男系男子を皇族の養子に迎える皇室典範改正の「養子案」だ。

 ホームページの「日本会議が目指すもの」には第一項に、〈126代という悠久の歴史を重ねられる連綿とした皇室のご存在は、世界に類例をみないわが国の誇るべき宝というべき〉と謳い、皇位の男系継承を守る養子案はいわば"一丁目一番地"の政策とも言える。

 そのため、民主党政権が女性天皇や女性宮家創設の検討を開始した2012年には日本会議が中核となって「皇室の伝統を守る国民の会」を立ち上げ、男系継承を確保する「養子案」の早期実現を目指す国民運動を展開してきた。

 高市政権が発足した日(昨年10月21日)には、日本会議は首相に広報部コメントとしてこんなメッセージを送っている。

〈高市政権のもと、男系による安定的皇位継承制度の確立、自衛隊明記や緊急事態条項といった憲法改正、旧姓使用の法制化など、重要課題の合意形成と制度の実現がなされることを期待します〉

 一番上に皇室典範改正を挙げたのだ。

 高市首相は日本会議の要求に応えるかたちで、皇室典範改正を強引に成立させた。まさにその日(7月17日)、日本会議は「画期的」と歓迎のコメントを出した。

〈この間、政府、国会においては、皇族数の確保については先延ばしできない課題と繰り返し表明されてきており、ようやく改正が実現したことは、まことに意義深いものと考えます。とりわけGHQによる占領下にあった昭和22年、皇籍離脱を余儀なくされた11宮家の男系男子孫の方を、現在の皇族方の養子として迎え入れる制度をもうけたことは、画期的です〉

 養子案は麻生太郎・副総裁の肝いりとされ、そのために高市首相がこのスピード感で成立させたと見られてきたが、実は日本会議の"悲願"でもあったというわけだ。

 関連記事では高市首相と日本会議の政策や人脈など "共依存"ともいえる関係と、今後目指す先について徹底解剖している。

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※週刊ポスト2026年8月28日・9月4日号