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介護歴30年のプロ・藤原清明さんは「介護認定を受ける以前の『介護未満』の時期は、介護保険サービスを使えない。自力でなんとかしなければならず、さまざまな困りごとに直面する」と話します。「自立しているけどちょっと心配」な親の暮らしを、どのように守っていけば良いのでしょうか。そこで今回は藤原さんの著書『自宅で暮らしたい「介護未満」の親の支え方』より一部を抜粋し、親が自宅で安全・安心に過ごすためのヒントをご紹介します。

【書影】この道30年の介護のプロが、親が自宅で安全・安心に過ごすためのヒントの数々を紹介。藤原清明『自宅で暮らしたい「介護未満」の親の支え方』

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電気コードやケーブルは露出厳禁。床に放置すると転倒事故に直結!

高齢者の転倒は、寝たきりリスクにも直結する看過できない問題。内閣府によると、転倒した場所は「庭」が36.4%、次に「居間・茶の間・リビング」20.5%、「玄関・ホール・ポーチ」17.4%、「階段」13.8%と続きます。

毎日くつろぎの時間を過ごすリビングでも、転倒事故がよく起きる点に注目。リビングのソファーからドアなど、よく歩く動線上はフラットな状態にしましょう。

特に電気コードには配慮を。たくさんのテレビ、照明、スマホの充電器、卓上調理器など、利用している家電の分、電気コードが存在します。さらに、インターネット回線のケーブルなども露出していませんか? 電気コードやケーブル類は部屋の壁に沿わせて固定・カバーにまとめる・壁際に隠すなど、必ず対策をしましょう。

また、使わない家電の電源は抜いてコードをまとめます。節電にもなり一挙両得!

「床には何も置いていない」をレギュラーな状態にしよう

「床に物を置かない」はいろはの「い」。でも、実際によく見かける風景は……。

×外から戻ってきて、床に置いたままのバッグや上着
×買い物したままのスーパーの袋
×段ボールから開封されないままの通販の商品
×ポストから持ってきた新聞、ダイレクトメールなど郵便物
×トイレットペーパーなど、「本来そこにないはずの品」
×キッチンや玄関、トイレに置かれている、ずれたマット

高齢者はレギュラー(いつもの状態)では事故を起こしにくいのですが、イレギュラー(いつもと違う状態)には戸惑いと転倒がつきもの。

ぜひ「床に何もない状態」をレギュラー化して、転倒リスクを徹底的に排除しましょう。

「しまい込む収納」は不向き。使う場所にフックで吊って「見せる収納」を

床に物を置かないためにも、S字や吸盤式のフックで「適材適所の見せる収納」を心掛けましょう。しまい込むと結局見つからず、新しいものを購入する危険性大! また、探し物に夢中になって、転倒事故にもつながりかねません。

吊るすだけ収納なら、片づけも見つけるのも容易です。

たとえば、玄関で郵便物を開けるためのハサミを、下駄箱に吸盤フックをつけて吊るす。すぐに開封できるのでその場で内容を確認し、ゴミ箱行きか保管すべきものかが判明します。「後で見ればいいや」とテーブルにポン、やがて床に落ちて……という流れを止められます。

ハサミはキッチン(食品の封を開ける)、タンスのある場所(衣類やクリーニングのタグを取る)など、使う場所すべてに吊るしておけばよいのです。

座り姿勢からの立ち上がりには、手を置く位置に合わせて椅子をセット

「ロコモ(ロコモティブシンドローム・運動器症候群)」まではいかずとも、年を取ると徐々に、立ったり歩いたりする機能が衰えます。特に、座った状態から立ち上がるときには、踏ん張りが重要。支えがあると安定し、転倒事故予防になります。

動かぬよう壁につけた椅子を支えにするほか、ホームセンターや通販や福祉用具専門店で、専門の支援グッズを購入するのもよいでしょう。


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なお、冬場に気をつけてほしいのが、こたつです。立ち上がるまではできても、布団が足にまとわりつき転倒するケースも。ダイニングテーブルタイプのこたつにしたほうが、高齢者には安心かもしれません。

なお、椅子からスムーズに立ち上がるコツは、「おしりを移動して浅く腰掛け直す→足を引き、足裏をべったり床に→おじぎするように前かがみで立ち上がる」です。

センサーライトを活用して夜間の転倒事故を防ごう

夜の階段や廊下。明かりをつけようと照明のスイッチを探しているうちに、つまずいたり転んだり……。こんな事故を防ぐためには、人感センサー付きの照明を足元にセットしておきましょう。家電量販店やネットショップはもちろん、100円ショップでも販売されています。

「危ないなら、朝まで明るくしておくべき?」と思われるかもしれませんが、明るすぎると寝つけなくなったり、眠りが浅くなったりする方も。よって、必要な箇所にだけ、転倒防止のセンサーライトを設置するとよいでしょう。

特に高齢者は、夜中にトイレで起きる方が多数です。目がさえないうちにトイレを済ませ、最短時間で安全にお布団に戻ってまた眠れるように、センサーライトを活用してください。

※本稿は、『自宅で暮らしたい「介護未満」の親の支え方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。