ビジホすら今や「1泊1万5000円超え」が当たり前に。旅行者の選択肢として存在感を増す「個室ネカフェ」や「コンビニ車中泊」
インバウンド需要によって観光地のホテルの客室単価が上がる一方で、消費者は物価高による節約志向を高め、自身が価値あると認めるものに出費を惜しまないメリハリ消費傾向が強まりました。
宿泊費を安く抑えるビジネスが広がりを見せています。
◆ホテル代の高騰が止まらない
星のやブランドの2025年度における平均客室単価は8万4174円。2019年度は7万4696円でした。1万円近く上がっています。
大衆的な観光ホテルの定番ブランドである大江戸温泉施設も2025年度の平均単価は3万9000円を超えています。2019年は2万9000円台でした。観光ホテルも気軽に泊まれる場所ではなくなりつつあるのです。
小人数や一人の旅行に最適なビジネスホテルも高騰気味。ホテル特化型メディア「ホテルバンク」の調査によると、2026年4月のビジネスホテルの平均客室単価は1万5000円で、前年同月比で3.8%の増加。2017年から2019年にかけては1万0800円から1万1800円のレンジで安定的に推移していたといいます。
さらに夏のハイシーズンは特にホテル代が高くなります。物価高も重なって、極力ホテル代を抑えたいという消費者心理が高まっているのです。
◆旅の拠点になりつつあるネットカフェ
AOKIホールディングスが運営するインターネットカフェ「快活CLUB」は、「鍵付完全個室店舗」の出店に注力中。2025年度は新規で26店舗(前期は14店舗)出店しました。
完全個室は1人から4人程度まで利用可能。最も利用しやすい「レギュラールーム フラット」は、床一面にマットが敷かれており、寝転がって過ごすことができます。室内ではテレビやアニメ、映画を思う存分楽しめる仕様。コンビニやスーパーで購入した弁当や総菜、飲み物を持ち込むことが可能で、途中外出ができるために自由度の高い時間が過ごせます。
新宿にある店舗の「鍵付完全個室」の料金は平日12時間で5000円台。北海道の「旭川大町店」は平日12時間が3300円です。ビジネスホテルよりも格安料金で利用することができます。
「快活CLUB」は、オートバイ好きのライダーからツーリングの拠点として親しまれており、「実家」と呼ぶ人も少なくありません。長距離ツーリングの場合は宿泊施設の滞在時間が短いことも多く、ビジネスホテルのサービスが過剰気味になることもあります。突然の天候の変化で緊急避難的に「快活CLUB」を使うケースもあり、旅費を抑えて快適に過ごせる場所として知られてきました。
