【密着】「そろばん踊り」ふるさとの夏に響かせる【カメリポ】
そろばんを手に踊る人たち。こちらは、およそ70年前に始まったとされる福岡県久留米市の「そろばん踊り」です。毎年8月の夏祭りで総踊りが披露されます。伝統の踊りの魅力を広めようと、長年活動する女性にカメラが密着しました。
久留米市の夏の伝統、そろばん総踊り。
ことしも、およそ5000人の市民が参加し、30分間踊り続けました。
節目の50回目の総踊り。ある記録に挑戦しようとしていました。
■実行委員
「そろばん踊りが祭りに登場して50回目になることから、ギネス世界記録にチャレンジします。」
節目の年に祭りを盛り上げるため、企画されたのはギネスチャレンジです。そろばんを持って同時に踊る人数の世界記録への挑戦です。
この日、参加チームの代表者が集まり、練習を行いました。
これまでは、そろばんを持っていなくても、踊りがそろっていなくても参加できたそろばん総踊りですが、ことしは記録認定のため、全員がそろばんを持つこと、5分以上は全員が同じ振り付けをするなど、厳格なルールを設けます。
■そろばん踊り保存会 会長・今泉由美子さん
「そろばんは重いと思いますので、横からきっちりと。」
ステージに立ち、お手本を示すのは、そろばん踊り保存会会長の今泉由美子さん(66)です。
■今泉さん
「今までは、そろばん総踊りと言いながら、そろばんを持っていない団体もいっぱいあったんですね。ことしは、そろばんを持って踊ることが前提なので、本当に楽しみにしています。」
69年前に生まれたとされる、そろばん踊り。
今泉さんは、高校生当時の先生の勧めでそろばん踊りを始め、保存会へ入りました。
そろばん踊りが「水の祭典」に登場した頃から総踊りに参加していて、およそ半世紀、そろばん踊りに関わり続けています。
そろばん踊りの由来は。
■今泉さん
「久留米絣(かすり)を織る時の機織りですね。横糸、そしてカシャカシャ、足でトントン。織っていくのを、そろばんで表しています。」
久留米絣を買い付けに来た商人たちが、機織りの音がそろばんに似ていることに着目し、余興でそろばんを振って踊ったことが起源とされています。
■今泉さん
「皆さんが、そろばんを持って踊る。そろばんの音一色になることはワクワクします。」
今泉さんは出前指導も行います。
この日は、ことし初参加の久留米市職員への練習会です。
■久留米市職員
「初めて触れた文化だったので、すごく勉強になっています。(Q.久留米にこのような踊りがあったのは?)びっくりでした。」
「(そろばんは)はじくものとして使っていたイメージだったので、鳴らしてみると良い音で楽しいなと思いました。」
■今泉さん
「ギネスがかかってるので、いつもより気合が入って教えたと思います。振り付けを自分のものにすることと、人と合わせられるように。」
しかし、7月28日に発生した熊本地震の影響で、ギネスチャレンジは中止となりました。
参加予定だった企業の社員、久留米市の職員、自衛隊員は、被災地に向かいました。
8月4日、水の祭典の当日。
祭りでは、熊本への義援金箱が設置され、多くの人が募金しました。
■今泉さん
「私たちも熊本にはよく行きますし、何か私たちも届けないといけないなという気持ちで。」
■アナウンス
「熊本に想いを寄せて、盛り上がっていきましょう。」
■今泉さん
「みんな張り切っていて、すごく良かったと思います。全く振り付けを覚えていない人も例年いるので、ことしは去年より良かったんじゃないかと思います。」
■参加者
「めっちゃ楽しいです。」
「ギネスに出られないのは残念ですが、みんなで楽しく踊れているので最高です。」
「祭りの一体感を感じられて、とても良いです。」
■今泉さん
「皆さんがそろばん踊りに触れていただいて、久留米といえばそろばん踊りと、皆さんが阿波踊りやソーラン節のように思い浮かべられるような踊りにしていけたらいいなと思います。」
ギネス記録には残りませんでしたが、多くの市民がそろばんの音を響かせ、記憶に残った50回目の総踊り。
今泉さんはこれからも、久留米の夏の伝統を伝えていきます。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年8月11日午後5時すぎ放送

