苦難を乗り越え、久しぶりのターフに戻るファントムシーフ

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 「中京記念・G3」(16日、中京)

 不安と期待が混在しつつも、ついにこの時がやってきた。23年菊花賞(9着)から長期休養を経て、ファントムシーフが中京記念で約2年10カ月ぶりに復帰する。「爪と脚元のケアをしながら、ここまではなんとか無事にやって来られた」。担当の河野助手は、わが子を見つめるようなまなざしで語った。

 4歳春に右前浅屈腱炎を発症。ここまでは脚元を気遣いながら栗東坂路を中心に乗り込んできた。それでも「1カ月ぐらい調整してきたけど、これでも短いくらい」というのが“父”の本音だ。

 3歳時はクラシック戦線を最前線でけん引した。共同通信杯でタイトルをつかみ、1番人気の皐月賞では3着に健闘。懸命に走る姿は多くのファンの心を奪った。「普段はやんちゃだけどレースでは真面目だし、これまで乗ったジョッキーも嫌がる人がいない」と同助手は誇らしげだ。

 この中間も「具合がいいし、カイバをよく食べている」とうなずき、「まずは無事にということが9割、あとの1割でいいところがあればと期待している。次につながるレースになれば」と願う。一度はターフから消えかけた才能が再び走り出す。(デイリースポーツ・安藤瞭太)