インドに亡命中のバングラデシュ元首相、12月に帰国する意向「同胞が苦しんでいるのを傍観できない」
【ニューデリー=青木佐知子】バングラデシュのシェイク・ハシナ元首相は5日、亡命先のインドの首都ニューデリーでオンライン記者会見を開き、「同胞が苦しんでいるのを傍観できない」として、12月に帰国する意向を示した。
ハシナ氏の身柄の引き渡しを求めてきたバングラデシュ政府は、反発を強めている。
ハシナ氏は、若者の抗議デモ拡大で辞任に追い込まれ、2024年8月にインドに逃れた。その後、公の場での発言は初。バングラデシュの特別法廷は25年11月、デモ弾圧で多数の死者を出したとして、ハシナ氏に死刑判決を言い渡した。
記者会見は音声のみで行われた。ハシナ氏は時折声を詰まらせながら「投獄されたり殺されたりするかもしれないが、戻らなければならない」と語り、抗議デモは特定の勢力が若者らを扇動したと主張した。
一方、バングラデシュ外務省は5日、「主権や(抗議デモでの)犠牲者に対する侮辱だ」と印政府の対応を非難する声明を出した。
バングラデシュでは、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が率いた暫定政権を経て、今年2月に総選挙が行われた。ハシナ氏が率いる主要政党・アワミ連盟と対立関係にあったバングラデシュ民族主義党が圧勝し、タリク・ラーマン氏が首相に就任した。
印政府は、ハシナ氏の引き渡しについて「検討中」としており、両国関係は緊張が続いている。印政府は9月に予定されるBRICS首脳会議にラーマン氏を招待したが、バングラデシュ側の対応は不透明だ。

