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 高市首相が寝てないアピールをしようが、マーケットの知ったことではない。政府は21日、高市政権初となる経済財政運営の指針「骨太の方針」を閣議決定。原案の書きぶりが歴史的な円安・債券安を招いた、いわゆる「骨太ショック」によって修正を余儀なくされたにもかかわらず、円安・債券安に歯止めがかからない。株価も先月末の最高値からジリジリと下げ続け、静かなトリプル安が進行中だ。

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 骨太方針の副題は、高市首相自ら考案したという「『責任ある積極財政』元年〜日本の挑戦を起動する!〜」だ。コトあるごとに「挑戦しない国に未来はない」と繰り返してきた高市首相らしい大仰なタイトルだが、首相就任から約9カ月経つのに、まだ起動すらしていなかったことに驚く。今まで睡眠時間を削って何をしていたのか。

 肝いりの副題がこんな調子だから、肝心の中身もサッパリ。冒頭から〈日本と日本人の底力を活かし、総合的な国力を徹底的に強くしていく。これが高市内閣の使命である〉〈その中核にあるのが「強い経済」の実現〉ときたもんだ。

 ビッグマウスは勝手だが、財政規律を度外視した“絵空事”を描いたところで、マーケットはついてこない。むしろ、「財政健全化」をかなぐり捨て、注釈に「金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられる」と入れ込んだだけの小手先の修正に冷ややかですらある。

 21日のNY外為では、1ドル=163円台まで円安が進行。債券市場では原油高を背景に長期金利が一時、2.73%へ上昇(価格は下落)した。骨太方針の決定を受け、高市首相は「国民の皆さまや国内外の市場関係者に透明性高く、かつ一貫した説明をより丁寧に行うなどコミュニケーションの強化を通じ、市場の信認を確保していく」と意気込んだものの、骨太ショックが招いた「日本売り」の修正は不発に終わったのである。

持続性のない財政政策

「いくら日銀の独立性を強調しても、ホンネでは円安・インフレを容認している高市政権をマーケットは信用していないのです。骨太は『債務残高対GDP比の安定的な低下』を掲げていますが、裏を返せば、インフレによって名目GDPが増えれば、比率が悪化しない程度において借金を増やしても構わないと言っているようなもの。いくら『財政の持続可能性』をうたっても、インフレ頼みの財政政策では持続性もへったくれもない。日銀による最新の『生活意識に関するアンケート』で9割近い人が物価上昇を『どちらかと言えば、困ったこと』と答えており、長引くインフレに国民生活は圧迫され続けています」(経済評論家・斎藤満氏)

 イケイケだった株価も、7万2000円台の史上最高値を記録した先月末から右肩下がり。きのうの終値は前週末比2091円高の6万6232円まで持ち直したが、下げ幅に上げ幅が追いつかない状態が続いている。

「先週末の下げ幅が一時4000円を超えたことを踏まえれば、いわゆる『半値戻し』に過ぎず、下降トレンドに変わりはない。高市政権への期待から『高市トレード』なんてもてはやされたのも束の間、今は逆回転が生じています。円安・債券安・株安のトリプル安は、簡単には終わりそうにありません」(斎藤満氏)

 高市首相が首相就任以来、寝ずに取り組んできたのは「強い経済の実現」どころか、安いニッポンの深掘り。いっそ退陣して、好きなだけ寝てもらった方が日本のためになる。

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