「いらっしゃいませ〜!」店内に入ると、現役力士さながらの巨体を誇る元大関の威勢の良い声が店内に響き渡る。2010年の「大相撲野球賭博問題」で日本相撲協会を解雇され、角界を去ってから16年。琴光喜(50歳)はいま、栃木県鹿沼市の山あいにある蕎麦とちゃんこ鍋の店「力貴庵(りきあん)」で厨房に立ち、笑顔で客を迎え入れている。地元・愛知で14年間経営していた焼肉店を手放し、なぜ縁もゆかりもない栃木にやってきたのか。