MVP受賞経験があるメッシ【写真:ロイター】

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連載「ワールドカップ・トリビア」第33回

 地球規模のスポーツの祭典、サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会は、4強が出揃い、佳境を迎えている。「THE ANSWER」は期間中、今さら人に聞けない素朴なギモンに回答する連載「ワールドカップ・トリビア」を展開。スポーツ新聞社の記者としてJリーグ開幕前からサッカー取材を続けてきたスペシャリスト・荻島弘一氏が、ズバリ答える。第33回は「なぜ大会MVPは優勝チームから出ないの?」。

Q.なぜ大会MVPは優勝チームから出ないの?

A.決勝戦の前に選考投票が行われるから

【解説】

 大会で最も活躍したとされる選手には、最優秀選手賞(MVP)としてゴールデンボールが贈られます。1982年スペイン大会から始まった表彰で、第1回はイタリア優勝の立役者となったロッシ。続く86年メキシコ大会では「神の手」「5人抜き」で知られるアルゼンチン代表のマラドーナが選出されました。

 意外なのは、優勝チームからの受賞者が少ないこと。前述の2人は優勝しましたが、その後優勝してMVPに輝いたのは94年アメリカ大会のブラジルFWロマーリオと2022年カタール大会のアルゼンチンFWメッシだけで、他の7人は優勝チーム以外から選ばれています。06年ドイツ大会のフランスMFジダンは決勝で退場処分を受けてチームが敗れた後、表彰を受けました。

 実は選考が行われるのは決勝戦前。優勝セレモニーとともにMVPの表彰をするためです。FIFAの技術委員会が候補となる選手を選び、記者投票で決める方法。1チームから複数の候補選手が出ると票が割れることもあり、メッシが14年と22年で唯一2回選出されるなど傑出したエースが受賞する傾向にあります。

 最多得票者にゴールデンボール(MVP)が贈られ、2位にはシルバーボール、3位にはブロンズボールが贈られます。欧州と南米以外からは唯一、02年日韓大会でベスト4に入った韓国DF洪明甫がブロンズボール賞に輝いています。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。