「年収500万円」で“フリーランス”の夫が死亡…子どものいない妻は“遺族年金ナシ”のはずが「月5万3000円」を受け取れる!? 独自の給付「寡婦年金」の受給額・要件を確認

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フリーランスの夫が亡くなった場合、子どものいない妻は遺族基礎年金を受け取れないのが原則です。ただし、夫の国民年金の加入状況などによっては、60歳から65歳まで寡婦年金を受け取れる可能性があります。

寡婦年金は子どものいない妻の生活を支える制度

夫が会社員ではなく、フリーランスや自営業者として働いていた場合、基本的には国民年金の第1号被保険者に該当します。会社員や公務員が加入する厚生年金とは異なり、国民年金だけに加入している人が亡くなった場合、遺族に支給される年金は限られます。
特に注意したいのが、子どものいない妻は遺族基礎年金を受け取れない点です。遺族基礎年金は、原則として「子のある配偶者」または「子」が対象となるため、夫婦に要件を満たす子どもがいない場合は支給対象外となります。
そこで確認しておきたいのが、国民年金独自の給付である「寡婦年金」です。寡婦年金は、夫が国民年金の第1号被保険者として一定期間保険料を納めていた場合に、一定の要件を満たす妻へ支給される制度です。
遺族基礎年金のように子どもの有無を前提とする制度ではないため、子どものいない妻にとっては、夫の死亡後に確認すべき重要な給付といえます。

年収500万円でも寡婦年金額には直接影響しない

では、年収500万円のフリーランスの夫が亡くなった場合、妻はいくら受け取れるのでしょうか。
寡婦年金の金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。つまり、国民年金のみであれば、夫の年収が300万円でも500万円であっても、その金額は寡婦年金額に反映されません。
2026年度の老齢基礎年金の満額は、1956年4月2日以後生まれの人で月額7万608円です。仮に夫が第1号被保険者として40年間保険料を納めており、満額相当の老齢基礎年金を受け取れる状態だったとすると、寡婦年金はその4分の3で、月額約5万3000円になります。
ただし、これはあくまで満額相当で計算した場合です。夫の国民年金の納付期間が短い場合や、免除・猶予期間がある場合には、実際の寡婦年金額は少なくなります。

受け取るには婚姻期間や年齢などの条件がある

寡婦年金は、夫が国民年金に加入している場合でも必ず受け取れるとは限りません。主な受取条件として、夫との婚姻関係が10年以上継続していること、夫の死亡当時に妻が夫に生計を維持されていたことが必要です。事実婚の場合でも、実態として婚姻関係と同様と認められれば対象になることがあります。
また、妻が受け取れるのは60歳から65歳になるまでです。夫が亡くなった時点で妻が55歳であれば、すぐに受け取れるわけではなく、60歳になってから支給が始まります。一方、妻がすでに65歳以上であれば、寡婦年金の支給期間を過ぎているため受け取れません。
さらに、夫が老齢基礎年金や障害基礎年金を受けたことがある場合、寡婦年金は支給されません。妻自身が老齢基礎年金を繰上げ受給している場合も、寡婦年金は受け取れない点に注意が必要です。
なお、寡婦年金のほかに、死亡一時金を受け取れる場合もあります。ただし、寡婦年金と死亡一時金の両方を受け取れる場合は、どちらか一方を選択します。死亡一時金は、保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円の一時金です。
このため、寡婦年金を何年間受け取れるかによって、どちらが有利かを確認することが大切です。

まとめ

フリーランスの夫が亡くなった場合、寡婦年金額は夫の年収ではなく国民年金の納付状況で決まります。
夫が40年分の国民年金に相当する期間を満たしていれば、妻は60歳から65歳まで月約5万3000円を受け取れる可能性があります。ただし、婚姻期間、妻の年齢、夫の年金受給歴などの受取条件を必ず確認しましょう。
 

出典

日本年金機構 寡婦年金
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 死亡一時金
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士