「夫を信じます」夫の不倫相手の頭を刺した女の裁判 夫、長男が女を擁護も...注目される判決の行方

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被告はモデルのような長身と美しいロングヘア姿で入廷

東京新宿区のホテルで、知人女性を刃物で切りつけたとして、傷害の罪に問われている小林亜依子被告(58)の初公判が6月18日、東京地裁で開かれた。

「事件現場となったのは新宿区にあるホテル『リーガロイヤル東京』のレストランでした。4月10日の午前9時ごろ、小林被告は夫と食事会に参加しましたが、その席で夫と長年、不倫関係にあった今回の事件の被害女性であるAさんと鉢合わせしたのです。

小林被告は、その場で夫と口論になり、Aさんの後頭部を刃物で突き刺すなどして、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。Aさんは全治2週間のケガで、夫は軽傷を負いました。逮捕時、小林被告は犯行について『間違いありません』と認めたものの理由については『覚えていません』と供述していました」(全国紙社会部記者)

小林被告は上下グレーのスウェット姿で出廷。マスクを着用していたため表情をうかがうことはできなかった。勾留中とあってか、根本から年相応の白髪がのぞいていたが、モデルのような長身と美しいロングヘアが印象的だった。

証言台に立ち、裁判官から職業を尋ねられると「専業主婦で無職です」と答えた。起訴状については「特に間違いはないです」と認めている。公判で明らかになったのは熟年三角関係による愛憎劇だった。

検察が読み上げた冒頭陳述によると、小林被告は大学卒業後に広告会社に勤務。夫と結婚し3児をもうけた。しかし、夫は複数の女性と不倫をするなど、長年にわたり小林被告は、夫の女性問題に悩んでいたという。夫とAさんとの不倫発覚後、小林被告とAさんは、LINEで直接やり取り。口論になるなどの状態が続き、不貞行為でAさんに対し、訴訟請求も起こしていた。その結果、Aさんは不貞行為を続けたことに対する謝罪の手紙を小林被告に提出し、いったんは和解した。

しかし、その後も、Aさんは小林被告に無言電話をかけるなどの嫌がらせを続けたことが原因で、小林被告は適応障害などを発症。そして事件当日、小林被告とAさんが鉢合わせしたことで惨劇が起きてしまった。

Aさんの供述調書によると「なるべく重い処罰を求めます」と小林被告に強い処罰感情を持っているという。

最初に情状証人として証言台に立ったのは、小林被告から相談を受けていた弁護士だ。

「不倫相手から嫌がらせを受けて精神的に参っていた」と当時の精神状態を説明。小林被告の夫については「特殊な旦那さま」と表現し、「(小林被告は夫と)関係を続けられる強い心を持っていない普通の方」と証言した。

次に証言台に立った長男によると、事件当日に小林被告から「Aさんがいる。助けて」といった趣旨のメールを受け取っていたという。

不倫夫が女に放った非道な言動

「(事件を起こす前の)1週間前ぐらいはたくさんの助けを求めていた。母一人につらい思いをさせて後悔しています」

とうなだれた。長男として父に何度も進言していたが「父を誰にも止められなかった」と葛藤もあったという。ただ、現在の父親については、真っすぐ帰宅するようになり、

「父は『すべて自分が悪い。母に申し訳ない』みたいなことを言っていました。(Aさんに)被害届を取り下げるように言っています」

と変化を明かしている。

最後に小林被告が証言台に立ち、

 「理由はどうあれ傷を負わせたことをお詫びしたいです」

と被告人質問の前に頭を下げた。弁護士の質問に答える形で事件当日を回想。食事会は主催者にお願いされ、ホスト役として夫婦で出席。その食事会でAさんを見つけ「早く帰りたかった」と思いながら苦痛の時間に耐え続けた。

ようやく食事会が終わり、会計を済ませて夫に『これからどうするの?』と尋ねると『Aと帰るに決まってるんじゃん』と突き放された。その瞬間に、

「12年間(編集部註:夫とAさんとの不倫期間と思われる)の我慢が崩れてしまった。後は(頭が)真っ白で映像が途切れているようになった」

と話し、Aさんを刃物で襲った瞬間の記憶はないと主張。夫のことを問われると、

「面会に来て(夫が)大泣きした。結婚して25年、初めて私のために泣いてくれた。(Aさんと)別れるという言葉を信じます」

と述べた。検察側は犯行について「危険かつ執拗」と断罪し、拘禁刑2年を求刑。一方、弁護側は夫とAさんが長年にわたり不倫関係にあり「酌むべき事情がある」として執行猶予判決を求めた。熟年三角関係はどのような結末を迎えるのか。判決は7月1日に下される──。