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近畿日本鉄道によりますと、29日午前5時13分ごろ、近鉄京都線の京都駅で始発の橿原神宮前行き4両編成の普通列車が出発してすぐに脱線しました。駅を出てわずか1分後。列車が120mほど進んだときだったということです。

【写真を見る】線路から車輪が完全に外れて…脱線した近鉄の車両(近鉄京都駅付近・近鉄提供)

乗員乗客33人にけがはなかったということですが、午後6時現在も一部区間で運転を見合わせるなど影響が続いています。

なぜ事故はおきたのか?原因として考えられることとは…。 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏が解説します。

【取材】梅原淳:鉄道ジャーナリスト 月刊「鉄道ファン」編集部を経てフリーに 「JR崩壊」「JRは生き残れるのか」など著書多数

「鉄道の車両としては非常に走りにくい場所」専門家が指摘

幸いけが人がいなかったものの、一歩間違えば大変な事態になるおそれもあった今回の脱線事故。近鉄は会見を開き、謝罪しました。

会見での説明によりますと、始発前に行った線路の点検では事故現場付近に異常はみられなかったということです。

「線路が交差しているポイント」で脱線が始まっているように見える

近鉄が示した脱線状況の図を見ると、2両目の後輪と3両目の前輪が線路から外れているように見えますが…

「もともと(線路が)大きなカーブである上に、さらに内側に曲がって線路を渡っていくので、鉄道の車両としては非常に走りにくい場所ではある」と梅原氏は指摘します。

カーブ地点には複数の線路があり、外側の線路から内側の線路を走るように“車線変更”をするようなイメージだとした上で、その線路が交差しているポイントで脱線が始まっているように見えるといいます。

なぜ脱線した?考えられる原因その1「レール側の問題」

国の運輸安全委員会は29日午前に事故調査官を現場に派遣し、脱線の原因について調べています。

事故発生の原因はまだ明らかにされていませんが、梅原氏が可能性の1つとして挙げるのは、「分岐器に不具合があったのではないか」ということです(※分岐器:線路を動かし走行中の車両が進む線路を変える装置)。

「走行途中の車両が脱線したということは、前の車両は無事に通ったが途中で切り替わってしまった、あるいは途中で(線路に)少し隙間が出てきてしまった、あるいは不安定なまま走行したという可能性があるのではないかと思います」(梅原氏)

考えられる原因その2「車両(台車)の問題」

さらに梅原氏は、脱線した列車の3両目の“向き”に違和感があることから、「車両(台車)」に問題があった可能性も指摘します。

列車は大きく分けて、車輪がついている「台車」と、その上にある「車体」の2つのパーツで構成されています。

台車に何らかの問題が生じて車輪の幅が変化すると、線路に対してずれが生じることがあるといいます。

「例えば、車体を支えるエアサスペンションのバランスが崩れていたとすると、カーブ地点で遠心力で(車両が線路の)外へ出ていってしまう可能性があります。ただ、この線路を初めて通ったわけではないので、車両の不具合と、線路側の故障やずれなどが重なっている可能性もあると思います」(梅原氏)

今後の復旧は「しばらく時間がかかるのではないか」

今回の脱線の影響で、近鉄京都線は午後6時現在、京都から上鳥羽口駅の間で上下線とも運転を見合わせていますが、今後の復旧作業はどうなるのでしょうか。

1・4番目の車両は自走で移動させて、脱線しているとみられる2・3番目の車両はクレーンで持ち上げて分岐器のない線路上に移動させるのではないか、というのが梅原氏の見立てです。

「今、運輸安全委員会や警察の調査が行われている中で、脱線した車両の保全命令が出されている可能性があります。その場合、それが解除されてから復旧作業になると思うので、しばらく時間がかかると思います」(梅原氏)

近鉄は午後6時現在も京都線の一部区間で運転を見合わせていますが、再開について目途は立っていないということです。

(2026年6月29日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)