美しいグレイヘアが印象的なモデルの野田ユカさん(64)。もともとピアニスト・エレクトーン奏者として活動していたが、約40年続けていた黒染めをやめ、白髪を活かしたヘアスタイルにイメチェンした途端、ストックフォト(画像素材サイト)のモデルとしてスカウトをされたという。

【変わりすぎ!!】約40年“白髪染め生活”の女性→60歳で“真っ白な髪”のモデルに大変身した“美しすぎる最新ショット”を見る

 現在は本格的にモデル業に乗り出し、ファッションから冠婚葬祭まで、シニアモデルにとどまらない活躍を見せる野田さんに、グレイヘアにシフトした経緯や、白髪に対する思いなどを聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)


野田ユカさん ©釜谷洋史/文藝春秋

◆◆◆

20代前半から白髪が出てきて「あれ?」と…

――シニアモデルとして注目を浴びている野田さんですが、もともとはヤマハのエレクトーン奏者だったそうですね。

野田ユカさん(以降、野田) 23歳からエレクトーンのプレーヤーをしていて、『おかあさんといっしょ』とか、『ルックルックこんにちは』なんかで弾いていたんです。

――『ルックルックこんにちは』、岸部四郎さん司会のワイドショーですよね。

野田 そうですそうです。ヨネスケさんの「突撃!隣の晩ごはん」をやっていた木曜日に、生歌の伴奏をしていました。

――当時は20代かと思いますが、白髪が気になりだしたのもそれくらいですか。

野田 白髪は20代の前半ぐらいからですかね。ちらほら後頭部に出てきていて、あれ? みたいな。

「白髪は隠すもの」白髪染めをして、帽子もかぶっていた

――自分には見えにくい場所から白髪が出はじめて。

野田 そう。あまり見えないんで人に言われたりとかして。

 人前で音楽をやっていたから若く見られたい思いもあったし、当時はまだまだ、「白髪は隠すものである」みたいな風潮でしたから、20代から定期的に美容院に行って白髪染めをしていました。母親も白髪体質で、やっぱり染めていたし。

――今だと白髪を活かしたヘアカラーも多いですけど、当時はあの真っ黒な白髪染めをしていたということで。

野田 そうです。とにかく白髪を隠したい一心で白髪染めをずっとしていました。3、4週に1回は染めに行ってましたね。

 その上で、帽子もかぶっていました。

――鉄壁のガードで。

野田 帽子は白髪を隠したいのもありましたけど、ファッション的になんとなく“帽子込みで自分”みたいになってたのもあって。なので、40歳以降は帽子なしでの外出は絶対にしなかったです。

――当時はまだ白髪を活かした「グレイヘア」とか「シルバーヘア」といった概念はなかった?

野田 その言葉自体、昔は聞かなかったですね。だからグレイヘアにシフトするきっかけもなかったし、私もまさか自分がこうなるなんて全然思ってもいなかったです。

「私はいつまでこれを続けるんだろう」白髪染めをやめたきっかけ

――「いつか白髪染めをやめたい」という思いはあったのでしょうか。

野田 さすがに50代の後半くらいになったとき、「私はいつまでこれを続けるんだろう」とは思ってて。

 で、白髪染めをやめるかどうかの前にイメチェンしたくなって、ちょうど映画の『火花』に出ていた菅田将暉さんの髪の色、アッシュ系の色だったんですけど、それが素敵だったので、初めて白髪染めをやめてみたんです。

――真っ黒に染めて白髪を隠すのではなく、白髪を活かしたヘアカラーというか。

野田 そうそう。で、このまま自然に染めるのをやめてグレイヘアに移行できないかなと思って、「ヘアカラーやめられないですかね」って美容師さんに聞いてみたら、お年寄りの白髪の写真を見せられて。

 美容師さんは何の悪気もないんですけど、その写真で見た白髪のショートカットは本当に「おばあちゃん」って感じだったので、やっぱり染め続けることからは抜け出せないな、と思ってしまって。

――そこから、完全にグレイヘアにできたきっかけは?

野田 アッシュカラーにした写真をインスタにあげたら、「ヘアカタログのモデルをやりませんか?」とお声がかかったんです。

 そこから、撮影の時に担当してくれた美容師の方に全部おまかせするようになって、白髪染めも完全にやめることができました。

白髪は“隠すもの”ではなく、“使うもの”になった

――「グレイヘアへの移行が大変」という声を聞きますが、すんなり白髪にできたのでしょうか。

野田 たぶん一番いいのは坊主にしちゃうことなんですよ。リセットしちゃうのが一番よくて。私も短い、ほんとにベリーショートだったこともあって、グレイヘアにする時もノンストレスでした。

 あとは家族も私の髪型とかに一切何も言わないので、それも楽でしたね。

――40年近く続けた白髪染めをやめて、はじめて自分の白髪を見た時はどう感じましたか。

野田 お、なかなかいいじゃんって(笑)。

 正直、ずっと染めていたから、どこにどれくらい白髪があるかもわからなかったんですよ。で、蓋を開けてみたらほぼ全部真っ白だったという。

 そこから、もはや白髪は“隠すもの”ではなく、“使うもの”になりましたね。

――白髪は“使うもの”?

野田 だって白髪じゃなかったらモデルなんかなれてないですから(笑)。背もちっちゃいし。

「パーマスタイルにしてから一気に…」60歳でモデルデビューした経緯

――60歳になってからモデルをはじめたということですが、モデルをはじめたきっかけも白髪だった?

野田 そうですね。2020年にパーマスタイルにしてから一気に声がかかるようになって、ストックフォトのモデルからはじめたんです。

――グレイヘアに憧れていても、“おばあちゃん感”が出てしまうのではないかと心配する人もいます。

野田 だから、ヘアスタイルファッションが肝なんですよ。

――ヘアスタイル

野田 そう。毛量とか、白髪量とかは関係なくて、ごま塩頭でもいいんだけど、“髪型”をどうするかが鍵なのね。

 ただ単に白髪にしていると“おばあちゃん”になっちゃうかもしれないけど、奇抜なヘアスタイルにすることで、「あえてやってます」感が出るんですよ。

――野田さんもパーマをかけてますもんね。

野田 そうそう。パーマにして刈り上げたりとか、ちょっと尖ったヘアスタイルにして、ファッションとのトータルバランスで「なんかこの人おしゃれっぽいな」「ちょっと違うな」と見えれば、白髪がどうこうなんて言われないですよ。

おばあちゃんっぽく見えないために意識していること

――逆に言うと、奇抜なヘアスタイルができる人が、グレイヘア向き?

野田 そうです。そうじゃないと、ちょっと難しいかなと思いますね。

 あと、おばあちゃんっぽく見えないためには、姿勢も大事ですよね。私も姿勢が悪いからすぐ背中が丸まっちゃうけど、なるべく背筋をピンとして歩くのも大事です。

――お化粧はどうですか。

野田 必ずします。

――今日のメイクも素敵ですよね。

野田 してなかったら外に出られないですよ、私。宅配便とかが急に来たらその時はすっぴんでも仕方ないけど(笑)。

――近所のコンビニはどうですか。

野田 ダメです。私の場合は汚いから(笑)。

 あと私、基本、家にいるときと外に出るときの2種類しか洋服がないんですよ。だから家にいるときはそれで寝たり起きたりなので、家用の服では絶対に外には出られない(笑)。

 外に出るときは「野田ユカ」をつくって出かける。まあ、外出するために生きているという感じで(笑)、「あっ、素敵だな」って思われることに生き甲斐を感じているから、毎日が楽しいんだと思います。

撮影=釜谷洋史/文藝春秋

「とにかく若く見られたい」約40年“白髪を隠し続けた”女性→60歳で“真っ白な髪”のモデルに大変身…グレイヘアモデル(64)が語る“老いを怖がらない理由”〉へ続く

(小泉 なつみ)