アーセナルとの違いを訊かれたピレスは、比べることは難しいと語る。たしかにアーセナルのほうが抜き出ているが、ビジャレアルも上のレベルで十分やれる力があると分析している。生活環境については、太陽があって、海があって、食べ物がおいしく、家族にとって申し分ないと満足しているようだ。主力選手の移籍やケガで不本意なシーズンとなったビジャレアルだが、インタートト杯で勝ち進み、UEFA杯の出場権を得ることが残された目標だ。

 ビジャレアルとの契約は来シーズン末まで。その後は、来季のリーグ・アン昇格を決めたメッスに戻り、そこで現役を終える可能性が高いと報じられたが、「言いたかったのは、それも悪くない、ということ。すべてのオファーに対してオープンでありたいだけ。もちろんメッスのオファーにも耳を傾けるよ」とまだ何も決めていないことを強調した。デビューしたランス(Reims、当時3部、現在2部)への復帰もあるかと問われると、「フランスのクラブで現役を終えるとしたら、それはメッス、それだけは確かだ」と答えた。

 ドメネク監督からフランス代表入りの声がいっこうに掛からないことについては「納得している」と冷静なピレス。「彼(ドメネク)に僕を招く気があるなら、もうそうしていただろう。その気がないということだと理解している。正直言って、僕の目標はビジャレアルでよいシーズンを終えることで、その後はその後のこと。代表が6月に重要な時期を迎えることはわかっているが、僕の目標じゃないというのが率直なところだ。彼は僕のプレーすら見ていないかも知れない。(ドメネクの頭の中で)何があったのかは知らないし、知りたくもない。うんざりするし、疲れるからね。とにかく、そればかりを考えている時期は過ぎた。軍隊で言えば、予備役ってとこさ。必要とされていても、出動は大佐が誰かで決まるんだ」。もうフランス代表への未練はまったくないようだ。