チェルシーの監督問題が連日英国メディアを賑わしている。クラブ首脳陣との確執から、ジョゼ・モウリーニョ監督が今シーズン限りで退団する可能性が高いとの憶測が広がる一方で、次期監督候補の名前も続々と浮上しているのだ。中でも、最有力候補の一人と見られているのが、現在ロシア代表監督を務めるフース・ヒディンクだ。ヒディンクのロシア代表監督就任には、チェルシーのオーナーであるロマン・アブラモビッチが資金面でバックアップした経緯があり、これまでにもモウリーニョの後任としてヒディンクの名前は浮上していた。

 しかし、『BBC』の取材に応じたヒディンクは、アブラモビッチとの関係については認めながらも、チェルシーの監督には興味がないと断言している。

「私はロシア代表監督の仕事に満足している。契約はまだ1年残っているしね。今はユーロ2008予選を突破することだけを考えている。チェルシーのオーナーはロシア人のロマン・アブラモビッチで、私はロシア代表の監督を務めている。私の名前が噂されるのは、そのためだろう。確かにアブラモビッチと話す機会は多い。それは事実だ。しかし、チェルシーの監督のポストについて話したことはない。そもそも、チェルシーはチャンピオンズ・リーグで素晴らしい戦いをしているじゃないか。監督を代える必要があるのだろうか」

 一方、渦中のモウリーニョは、再びチェルシーでの監督続行を希望すると明言し、代理人が他のクラブと接触することを禁じたとを明かした。

「私はチェルシーで監督を続けたい。もう200回以上も繰り返し言っていることだ。私にはそれ以上何もできないよ。私は嘘をつかない。チェルシーで契約を全うしたいのだよ。このクラブに強い愛を感じているし、イングランドのサッカーの虜でもある。代理人には他のクラブとコンタクトしないように命じた。別のチームの監督候補に名前を挙げられたくないからね」

 いまだ先行きが不透明なチェルシーの監督問題。ヒディンクに加え、セビージャのファンデ・ラモス監督など、すでに15人近くが次期候補に挙げられている。残留を望むモウリーニョにとっては、すべての決定権を握るアブラモビッチとの関係修復が最優先事項と言えるのかもしれない。