ロナウジーニョ、エトー、デコらといったバルセロナの“クラック”たちが、ケガや体調不良を理由にチーム練習に参加していないという状態が続いている。結果が伴っていれば問題とならないことも、今シーズンのように不安定なプレーを続け、勝ち点でもライバルたちに肉薄されている状態となれば話は変わってくるし、批判の対象になることはある意味仕方のないことだ。クラブ側が何らかの手を打とうと動くのは当然の流れであり、バルサのスタッフらもチーム内での問題を解決すべく、規律の強化を図ろうとしている。バルサのエウゼビオ・アシスタントコーチが「これまでと同じようにやってうまく機能しないのであれば、他のやり方を見つける必要がある」と語っている。

「これまでは、選手それぞれが心地よく、一人ひとりの“自由”と“責任”に基づいた管理の仕方をとってきた。それはうまく機能していたし、結果としても証明されている。だが、これがうまく機能しないようなら、その方法を見直すなり、変えるなりする必要があるだろう。ダイナミズムを変え、彼らにはもっと多くを要求するといったことだ」。

 とある程度の規律強化の必要性を説いたエウゼビオ・コーチ。“クラック”たちが自由にできるのもあともう少しといったところだろう。さらに、「チームの力からいって出すべき結果を出せていないことが心配な点だ。次節のマジョルカ戦では一人ひとりが責任を果たさなければならない。まだ2冠のチャンスはあるのだから」と続け、今こそチームが一つにまとまり、選手一人ひとりがその責任を全うすることにあると強調。

 ライバルたちにポイント差を縮められたとはいえ、バルサが首位に立っていることには変わりないし、まだ9試合残されている。楽勝ムードとはいかないまでも悲観することでもない。だが、今シーズンは成功だったと言うためには、練習でも試合でもチームが一つにまとまり臨んでいくことにあるはずだ。チームの一体感は練習から生まれるものでもある。

(スペイン通信)