フランス代表戦のみならず、マルセイユでも地元サポーターのブーイングにさらされているジブリル・シセ。リバプールからマルセイユに移籍して1年目の今季、W杯直前の大ケガからシーズン途中に復帰して、これまで14試合で4得点。スター選手ゆえの高い期待に十分応えていないのもあるが、ここまで容赦ない攻撃の的になるのは、地味な選手の多いリーグ・アンの中で際立つ、いかにもスター然とした風貌が災いしているのかも知れない。

 シセはマルセイユの地方紙「ラ・プロバンス」に、「いまの状況? ちゃんと耐えられているよ。プロとして冷静に受け入れている。苦々しく思うこともない」と答えている。ただし周囲への影響となると話は別だ。「自分への批判は気にしない。しかし母が電話で泣いていた。自分の息子がなぜ批判されるのかわからないと嘆いている。これはつらい。耐えられない」と苦しい胸の内を明かした。

 来シーズンはどのクラブでプレーするかわからないという。「自分は、どこのクラブでも、ただ幸せでいたいだけ」と語り、自分の力で状況を打開することを誓った。