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2026年正月を迎え、家族・親戚など集って雑煮を食べながら新年を祝う方も多いかと思います。

【画像をみる】「背部叩打法」「腹部突き上げ法」を写真で解説 命を守るために取るべき行動

一方で心配されるのが、そしゃく・嚥下機能(食べ物を飲み込む力)の低下した高齢者などが、「餅」を喉に詰まらせることです。

先月(12月)28日、石川県で男性(75)が餅を喉に詰まらせ亡くなるニュースもありました。

東京消防庁によりますと、過去5年間で餅などを喉に詰まらせて救急搬送された人は338人、そのうち約9割以上の人が65歳以上の高齢者だったということです。

また、月別にみると、最も多いのは1月で135人、次いで12月が42人となっていて、この2か月間で全体の半数以上を占めていたということです。

そして、病院に搬送された時点で約9.7%の人が死亡、約35%の人が重篤の状態だったということです。

*2025年12月27日に公開した記事を加筆・修正しています。

もし周囲の人が餅で喉を詰まらせたら

自分の身の回りで「餅」を喉に詰まらせた人がいた場合、どのような対応が適切なのか医師に話を聞きました。

解説してくれたのは、「おおみち耳鼻咽喉科医院」(岡山・東区)の大道亮太郎医師【画像①】です。

(大道亮太郎 医師)
「昔から、『喉に詰まったら掃除機で吸え』と言われることがありますが、窒息は秒単位で進行し、しかも掃除機吸引は、標準的な応急手当として推奨されていません」

喉に詰まったら「最優先でやるべき」ことは

大道さんは、喉に食べ物が詰まると数十秒で意識を失い、体はわずか数分で命にかかわるダメージを受けるといいます【画像③】。

(大道亮太郎 医師)
「救急隊が到着するまでの間に、現場にいる人が何らかの処置を行った場合、行わなかった場合に比べて、生存率・社会復帰率も有意に高くなることも示されています」

「つまり現場では、『救急車が来るまで待つ』ではなく、『到着までの“空白の数分”を家族・周囲の人が埋める』必要があります」

餅が喉に詰まると体は「数分」も待ってくれないー、窒息には残酷なタイムラインがあるのです。

119番+背中を叩け

大道さんは東京消防庁・日本医師会・日本赤十字社が推奨する「窒息に対する対応策」を紹介してくれました。

119番通報(可能ならスピーカーモードにして両手を空ける)
② 咳ができるなら咳を続けさせる
③「咳が難しい」「声が出ない」場合は、以下の方法を推奨しています。
背部叩打法:前かがみにして、肩甲骨の間を手のひらの付け根で強く叩く【画像⑤⑥】

背部叩打法は、ひざまづいて、手の平(手の付け根に近い部分)で、肩甲骨の間を何度も力強く連続して叩く方法です。

背部叩打法で効果がなければ「腹部突き上げ法」

「腹部突き上げ法」【画像⑦⑧】は、餅をのどに詰まらせた人を、座らせるような状態にして、腕を後ろから抱えるように回し、親指側をみぞおちのやや下にあてます。そして、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げる方法です【画像⑦⑧】。

(※妊婦・乳児などは方法が異なるため注意)

窒息が起きているときに、絶対にやってはいけないことは、「液体を飲まる」ことだということです。水などの液体を飲ませると、症状の悪化や誤嚥の危険性があるとされています。

餅を食べる際の「危険チェックリスト」

大道さんは、気を付けるべきポイントとして、“食事中の環境”をあげます。特に以下の点に注意が必要だということです。

①ソファ・こたつでの食事(姿勢が崩れ、飲み込みが雑になりやすい)
②会話で笑いながら/テレビを見ながらの“ながら食べ”(嚥下のタイミングが乱れる)
③お酒+早食い(注意力と咀嚼が落ちる)
④「もう大丈夫」と一人にする(発見が遅れる)
⑤朝イチの餅(唾液が出にくい時間帯があるため、いきなり餅を食べるのは避ける)
⑥入れ歯の不具合/口の乾き/飲み込む力の低下(高齢者ほどリスクが上がる)

食事中の環境づくりとあわせて、家族でルールなどを作っておくことも予防のひとつにつながるといいます。

▶「餅が喉に詰まったら 対応策を医師が解説」この記事を最初から読む

餅を食べる時は「家族でルールづくり」が重要

餅での窒息を防ぐために、大道さんは食事の際、高齢者がいる家族などでは“ルール”を作ることが大切だといいます。

《ルール》
①餅を小さく切る/一口量を小さくする
②水・お茶・汁物などでのどを潤してから食べ始める(※「窒息が起きている最中」は飲ませない)
③背筋が伸びる姿勢で、会話はひと呼吸おいて
④見守り役を決める(「誰が119番通報、誰が背中を叩く」を先に決めておく)

(大道亮太郎 医師)【画像⑫】
「『掃除機があるから大丈夫』ではなく、“餅が口の中で冷めて喉にはりつく前に、少量を、潤いとともに”味わうことが大切です」

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