60代からは「がんばらない食卓」を楽しむ。自分の欲を優先、手づくりは“ちゃんと”しない:11月に読みたい記事
ESSEonlineに掲載された記事のなかから、11月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!
かつては家族の食事は、「自分がつくらなきゃ」と思っていた人も、家族の年齢とともにその役割も変わってくるもの。50代60代の生き方についての著書を多く持つ、トップブロガーの中道あんさんも、「かつてはそうだった。でも今はラクをするように、手放した」と教えてくれました。そんな最近の食事について詳しく語ります。
※ 記事の初出は2024年11月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

60代からは「料理をがんばらない」をモットーに
以前の私は、「家族に食べさせなきゃ」と義務感を追い立てられるように料理をつくっていました。その「食べさせる」には「してあげている」という気持も入っているので、「おいしいうちに食べてほしい」という押しつけや、「おいしい」という賞賛も求めていました。
でも、大人になった子どもにそんなことを期待するのも違います。そもそも食卓も別々になることも多いです。60代になった今は、「がんばらない」をモットーに、自分が食べたいものをつくるようになりました。家族には、「おすわけの気分」いや、私が喜んで食べているのだから「お福分けの気分」として、食べてもらいます。
家族と一緒でも、自分が食べたいものを優先
ある日の夕飯。久しぶりに家族がそろったのでお鍋を囲むことにしました。でも、私にはどうしても食べたいものがあったのです。それは、その日に農家さんのマルシェで買った葉つき大根。
シャッキとした新鮮な大根の葉を軽く塩ゆでして細かく切って水分をぎゅっと絞る。炊き立てごはんにすりごまと一緒に好みの量を混ぜるとおいしい菜飯のでき上がり。そこに明太子をドーンとのせる。大根の葉香りと明太子の海の風味旨味が一体になりめちゃくちゃおいしい明太菜飯のでき上がり。
それを見た息子が「おいしそうなん食べてるやん」と。「おっ! ようわかっているやん!」と返して「食べてみる?」とたずねました。なんだかうれしくなって丼鉢でこさえてちりめんじゃこもトッピング。ガツガツ食べる様子を見ると、やっぱりうれしい。

その翌日の私のランチは、「明太じゃこ菜飯」でした。「食べさせなきゃ」と思っていたときは、レパートリーも豊富で品数も多かったです。今は、ほんとうにシンプル。食卓が寂しいときは、納豆、温泉卵、厚揚げの焼いたん、明太子、豆腐のどれかあれば、それでいい。がんばらないけどおいしい食卓になります。
忙しい日は、お総菜に頼ることも
忙しい日の楽しみは、ご近所のお弁当屋さんorから揚げ屋さん。ほとんど家で仕事をしているので、キッチンに立つことは仕事モードか暮らしへ切り替えるスイッチみたいなもの。なので、本来なら料理が苦痛に思うことはあまりありません。でも、忙しい日や疲れた日はその気力もなくなっています。そういうときは、犬の散歩がてらにお弁当屋さんによって手づくり弁当を調達します。
家族経営のアットホームなお店なので、温かみがある、おうちごはんとあまり変わりません。そういう意味でも、食事は誰がつくってもいいんじゃないのと思ってしまいます。
から揚げ屋さんでは、から揚げと甘辛たれを買って帰り、お店の看板メニューである揚げ丼にリメイク。炊き立てごはんに半分に切ったから揚げを適量のせて、刻みのり、温泉卵をトッピングして甘辛たれをかければ、そっくりな仕上がりなのに調理時間は3分以下。コスパ的にもテイクアウトメニューよりも安い。工夫しながら財布のひもを締められるところは締めて、ラクする方法です。
手づくりする際も、市販品がお助けアイテムに
市販の素を使ってお手軽に調理するようになりました。手づくり神話とでもいいましょうか。何でも手づくりすることをよしとしていました。出汁はとるもの、つゆはつくるもの、ソースは自家製…。でもそれらは、市販の顆粒だし、麺つゆ、合わせ調味料で賄えます。
自分でつくることは、「ちゃんとしている」「健康的だ」という“こだわり”でしかありません。「市販でいいんじゃないの」という本音に気づいてからは、大いに頼っています。きちんととった出汁はほんとうにおいしい。でも旨味は昆布やカツオ節、いりこからだけにあるものではなく、昆布と同じグルタミン酸が含まれる野菜は、白菜やタマネギ、ニンジンやトマトなどの野菜にもたくさん含まれていますし、カツオ節に含まれるイノシン酸は鶏肉や豚肉だって含まれています。
ということは、豚汁や肉じゃがなどは出汁のいらない料理代表なのです。「これがないと!」と決めつけてしまうと、料理の負担は増えます。少しずつこだわりを手放して“ラクする”調理をしていきます。
60代を過ぎたら、暮らしは小さくシンプルにする。余ったエネルギーを自分のやりたいことに使いきる。そしてよく食べ、よく寝る! この繰り返しで暮らしていきたいと思います。
