[6.10 W杯最終予選 日本 6-0 インドネシア パナスタ]

 日本代表は10日、北中米W杯アジア最終予選最終節(第10節)でインドネシア代表と対戦し、6-0で勝利した。ホームお披露目の背番号10で初めてゲームキャプテンも務めたMF久保建英が1ゴール2アシストの大活躍。大量4人を数えたA代表デビュー組もMF三戸舜介が1アシストを記録した他、DF鈴木淳之介が前向きな守備で存在感を放ち、未来につながる大勝で最終予選を締めくくった。

 日本は最終予選初黒星を喫した5日のオーストラリア戦(●0-1)からMF鎌田大地とMF佐野海舟のみ残し、先発9人を変更。3-4-2-1の布陣でGKは大迫敬介が最終予選初先発を果たし、3バックは左からA代表デビューのDF鈴木淳之介、DF瀬古歩夢、DF高井幸大が並んだ。ダブルボランチはMF遠藤航と佐野海が組み、ウイングバックは左にA代表デビューのMF三戸舜介、右にMF森下龍矢。シャドーは左に鎌田、右に久保。1トップはFW町野修斗が務めた。[スタメン&布陣]

 立ち上がりから日本が主導権を握り、大阪に多数詰めかけたインドネシアのサポーターの大声援が響く相手陣内で試合を進める。前半8分には佐野のペナルティエリア内侵入で攻撃に厚みをつけると、同11分には鈴木淳のクロスから町野が惜しいヘディングシュートを放つなど、オーストラリア戦では見られなかった攻撃パターンが次々披露された。

 すると前半15分、日本が試合を動かした。深く押し込んだ攻撃から鎌田が左に預け、ペナルティエリア内に入っていくと、三戸からの右足クロスに反応。ヘディングでゴールに叩きつけ、GKエミル・アウデロが弾いたボールがゴールマウスに吸い込まれた。鎌田はこれがA代表通算10点目。3試合ぶりのゴールで節目の2桁得点とした。

 さらに前半19分、日本は左CKからリードを広げた。キッカーを務める久保がショートパスを鎌田に預け、鎌田のヒールでのノールックパスを再び久保が受けると、余裕を持ってゴール前に鋭いラストパスを送ったが、これは町野には合わず。だが、再びこぼれ球を拾った町野が後ろに落とし、久保が左足裏ロールから右足シュート。トリッキーな一撃でネットを揺らした。

 久保はA代表通算7点目。左腕にキャプテンマークを巻いて背番号10での初ゴールを決め、オフィシャルカメラに向かって豪快な膝スライディングのゴールパフォーマンスを披露した。

 さらに日本は前半28分、鈴木淳の豪快なボール奪取から速攻を仕掛け、鎌田のフリックを受けた町野のポストプレーで左ハーフスペースを打開すると、佐野海のスルーパスに三戸が反応。三戸は相手GKの戻りが遅いのを見て素早いシュートを放ったが、これはアウデロに横っ飛びでセーブされた。

 その後も鈴木淳は鋭い出足からのボール奪取を見せ、初招集ながら積極的な姿勢でアピール。さらに前半42分には久保のFKにスライディングシュートで反応し、枠を捉えることはできなかったものの、抜群の安定感を誇った右CBの高井とともに存在感を見せた。同45分には久保が鎌田との“浮き球”ワンツーからループで狙うも枠を外れた。

 それでも相手選手に負傷者が相次いだ影響で長く取られた前半アディショナルタイム6分、久保が右シャドーの位置から相手の背中を取ったまま左に移動し、うまくスペースでパスを引き出すと、ドリブルで運ぶと見せかけてラストパス。これを鎌田が受けてエリア内をえぐり、最後は相手に寄せられながらもループで流し込み、3-0とした。鎌田は2ゴール目。久保は1ゴール1アシストとなった。

 そのまま試合は後半へ。日本はオーストラリア戦でもフル出場していた鎌田に代わってMF中村敬斗を投入し、中村を左ウイングバック、三戸を左シャドーに入れた。後半4分、久保が猛烈なプレスバックからボールを奪い、スペースをうまく使ったスルーパスを送り込むと、これに森下が反応。だが、町野へのパスはやや内側に入り、シュートには至らなかった。

 さらに後半9分、日本は瀬古からのロングフィードが左サイド裏に通ると、これに中村が反応し、GKのミスに乗じてゴール前へ。そのまま右足で無人のゴールを狙った。だが、余裕を持って放ったシュートは大きく枠外へ。追加点の絶好のチャンスを逃した。

 それでも後半10分、日本は再び中村がゴール前に仕掛けていき、今度は左に流れた町野にパスを出すと、町野が左足でファーサイドにピンポイントクロスを配球。ここに走り込んだ右ウイングバックの森下が右足ボレーで突き刺した。森下はA代表初ゴール。ポーランドで今季14得点を挙げた得点力が光った。

 なおも止まらない日本は後半13分、バイタルエリアで前を向いた久保が相手の意表を突いた浮き球ラストパスをゴール前に入れると、これに町野が反応。うまくGKの動きを見ながらワンタッチで押し込み、5-0とした。町野は22年7月のEAFF E-1選手権の3ゴール以来、A代表では3年ぶりのゴール。これで町野と久保が揃って1ゴール2アシストとなった。

 日本は後半16分、三戸に代わってMF佐野航大を投入。初招集の佐野航はそのまま左シャドーに入り、これがA代表デビューとなった。また佐野海との兄弟出場も実現し、日本代表では2006年の佐藤勇人・寿人兄弟以来の快挙を果たした。

 日本はその後も勢いを保ち、後半21分には猛烈な波状攻撃を展開。久保と佐野航が立て続けに決定機を迎えたが、相手GKの好守にも阻まれ、ゴールを割ることはできなかった。同24分には久保と森下に代わってFW細谷真大とMF佐藤龍之介を投入。A代表デビューの佐藤は18歳238日で日本代表のW杯最終予選史上最年少出場記録を樹立した。

 このタイミングでシステムを3-5-2に変更。2トップには町野と細谷が並び、インサイドハーフに佐野兄弟、アンカーに遠藤が回った。後半31分、鈴木淳の果敢な回収から中村がカットインシュートを放つも、またも枠外。同32分には佐野海のスルーパスから町野が狙ったが、相手DFのブロックに阻まれた。

 日本は後半33分、町野に代わってMF俵積田晃太を投入。再びシステムを3-4-2-1気味に戻し、俵積田が左ウイングバックに回って中村が左シャドーに入った。すると同35分、俵積田が左サイドで仕掛けてゴールライン際までえぐると、折り返しのパスを中村がシュート。これがこぼれ球を誘って細谷が拾い、右足で冷静に押し込んだ。細谷は23年11月のシリア戦以来、約1年半ぶりのゴールとなった。

 その後はインドネシアの諦めない姿勢に押され、カウンターを打たれる局面もあったが、佐野海の鬼気迫るカバーリングや最終ラインの粘り強い対応で阻止。そのまま6-0でタイムアップを迎え、鮮やかな大勝で最終予選を締めくくった。

(取材・文 竹内達也)