池上彰氏 米大統領選で「表立っては言わない」ハリス氏の敗因指摘「軍の最高指揮官としてどうかと…」
ジャーナリスト池上彰氏(74)が6日、テレビ東京系「WBS」(月〜金曜後10・00)に生出演し、5日(日本時間6日)に投開票された米大統領選で勝利が確実と報じられている共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が支持された理由を分析した。
トランプと民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)との戦いは、大統領選史上まれに見る大接戦との見通しが伝えられる中、トランプ氏は激戦州のノースカロライナ州、ジョージア州、ペンシルベニア州などで勝利を確実にするなど、過半数の270人の選挙人獲得へ大きく前進。トランプ氏はフロリダ州で勝利宣言を行い、米ABCニュース、FOXニュース、CNNと複数主要メディアがトランプ氏の勝利が確実と報じている。番組でもトランプ氏の勝利が確実になった前提で話が進んだ。
勝因を聞かれた池上氏は「インフレに対する庶民の反発、生活苦が大きかったのではないか。トランプさんなら何とか止めてくれるんじゃないかという期待が一つあります」と、まずは経済的な理由を挙げた。
さらに、以前から訴えている不法移民問題も効果的だったと指摘。「“犯罪者がいっぱいアメリカに入って来るんだ”という言い方をした。それによって、治安が悪くなるんじゃないかとか、仕事を奪われるんじゃないかという恐怖心が、結果的にこういう形になったのではないかなと」と推測した。
ハリス氏は民主主義の危機をテーマに掲げたが、池上氏は「アメリカの庶民にしてみれば、それよりは生活を何とかして欲しいという思いが強くなったのかな」とした。
米大統領は陸海空軍、海兵隊など全米軍の最高司令官であるほか、核兵器の使用権限も持つ。池上氏は「なかなか表立っては言わないけれど、女性にとってのガラスの壁、天井というのがあったのかな」と指摘。「なかなか皆さん言わないんですけど、ハリスさんだと軍の最高指揮官としてどうかという思いを持った男性たちが、それなりにいたということだと思う」と、自身の見解を述べた。