「ガラスの天井」挑戦=カマラ・ハリス氏―米大統領選
2021年に女性、黒人、アジア系として史上初めて米副大統領に就任した。
女性進出を阻んできた政界の「ガラスの天井」を打ち破り、女性、アジア系で初の大統領を目指し選挙に挑んだ。移民2世でもあり、米国の「多様性」を象徴する政治家だ。
1964年、カリフォルニア州オークランドで、ジャマイカ系黒人で経済学者の父とインド系で乳がん研究者の母の間に生まれた。両親とも公民権運動の活動家だった影響で、社会正義の実現を志すように。首都ワシントンの名門黒人大のハワード大、カリフォルニア大法科大学院を修了し、カリフォルニア州で検事として活動した。
10年、黒人、女性として初めてカリフォルニア州司法長官に選出。17年には同州選出の上院議員に就任し、政界でのキャリアを築いた。副大統領としては、移民問題や人工妊娠中絶の権利擁護などに取り組んだが、不法越境者の急増に有効な対策を講じられなかったと批判を浴びる。
小学生の時に両親が離婚。母親のシャマラ・ゴパランさんの「女手一つ」で育てられた。自らを中間層の出身とし、学生時代には生活費を稼ぐためファストフード店でアルバイトをした。
14年に弁護士のダグラス・エムホフ氏と結婚。同氏と前妻の子供2人に「ママラ」と呼ばれる。60歳。