Netflixのフランスとオランダのオフィスが脱税の疑いで家宅捜索を受ける
2024年11月5日、ストリーミングサービス大手・Netflixのフランスとオランダのオフィスが、脱税の疑いにより家宅捜索を受けました。Netflixのフランス部門はオランダ部門と協力することで、フランスで収める税金を回避していた疑いがあるとのことです。
Netflix under tax fraud investigation as offices in France and Netherlands raided | Reuters
https://www.reuters.com/business/media-telecom/investigators-search-netflix-offices-france-netherlands-source-2024-11-05/
French and Dutch authorities raid Netflix offices in tax probe
https://www.lemonde.fr/en/international/article/2024/11/05/french-and-dutch-authorities-raid-netflix-offices-in-tax-probe-judicial-source_6731662_4.html
Netflix Offices in Paris, Amsterdam Raided in Tax Fraud Case - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-05/netflix-offices-in-paris-amsterdam-raided-in-tax-fraud-case
フランスの司法当局関係者は海外メディアに対し、11月5日にNetflixのフランスおよびオランダのオフィスを家宅捜索したと語りました。この家宅捜索は脱税に関する予備調査の一環として、フランス当局とオランダ当局が協力して行ったものです。
予備調査を主導しているのは、フランスの特別金融犯罪検察ユニット・Parquet National Financier(PNF)です。2014年に設立されたPNFは、主に国際的な大企業が関与する巨額の金融犯罪を扱っており、Netflixへの調査は2022年11月から実施されているとのこと。
フランスの情報筋は、「フランスとオランダの当局間では、これらの手続きに関連した刑事問題の協力が数カ月も前から行われており、それは欧州司法機構によって調整されています」と語りました。オランダ当局はコメントを拒否しました。
一方、Netflixのフランス部門の広報担当者は海外メディアのロイターに対し、「私たちはフランス当局と協力しています。フランスではNetflixが地域経済に大きく貢献しており、事業を展開するすべての国の税法と規制を遵守しています」とコメントしました。
Netflixには、フランス政府に納めるべき法人税を不当に低く抑えていた疑いがかけられています。
フランスメディアのLa Lettreによると、Netflixは2019年から2020年にかけてフランスの顧客をオランダの子会社と契約させることで売上高を実際より低く申告し、フランスで支払う法人税を100万ユーロ(約1億6500万円)未満に抑えていたとのこと。
2021年からはこの手法が行われなくなって、フランスでの売上高は前年の4710万ユーロ(約78億円)から12億ユーロ(約1990億円)に跳ね上がり、2022年には13億ユーロ(約2150億円)に達しました。この数字は、Netflixが発表したフランスの加入者数と一致しているとLa Lettreは報告しています。
なお、今回の家宅捜索はあくまで予備調査の一環であり、必ずしも刑事告発につながるとは限りません。PNFは調査の範囲についての詳細を明かしませんでした。