<為替> ドルが下落。5日投開票の米大統領選の行方が注目されており、今後の短期的なドルの動きを左右する可能性がある。

大統領選は勝敗予想が難しい状況となっている。共和党候補のトランプ前大統領はフロリダ州の投票所で投票を行い、「われわれは大きな勝利を収める」と自信を鮮明にした。

スタンダード・チャータード銀ニューヨークのグローバルG10FXリサーチ兼北米マクロ戦略責任者スティーブ・イングランダー氏は「多少ポジション調整が入る可能性があり、市場参加者は慎重となっているようだ」と指摘。現時点でトランプ氏勝利を見込む向きが多いとしつつも、10月や今月初めの方がトランプ氏の返り咲きを見込んだ「トランプトレード」に勢いがあったという見方を示した。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.48%安の103.43。一時10月16日以来の安値となる103.37に沈んだ。

ユーロ/ドルは0.48%高の1.0929ドル。一時、10月11日以来の高値となる1.09368ドルを付けた。

ドル/円は0.44%安の151.46円。一時151.35円と、10月23日以来の安値を付ける場面もあった。

トランプ氏が勝利すれば新関税によって打撃を受けるとの見方から売られていたオフショア人民元とメキシコペソも対ドルで上昇した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.76%高の6万8928ドル。

6─7日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)も注目される。市場では0.25%ポイント利下げが実施されるという見方が優勢。CMEのフェドウオッチによると、米連邦準備理事会(FRB)が12月会合にも追加利下げを実施する確率は78%となっている。

ポンド/ドルは0.46%高の1.3017ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は7日の会合で0.25%ポイント利下げを実施すると予想されている。

豪ドル/米ドルは0.74%高の0.6633米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、予想通り政策金利を12年ぶりの高水準となる4.35%に据え置いた。

<債券> 国債利回りがまちまちの動きを見せた。この日に投票が行われている米大統領選の行方が大きく注目される中、取引終盤にかけて特に変動が激しくなった。総じて好調だった10年債入札も利回りを押し下げた。

取引序盤では、大統領選のオンライン予測市場で共和党候補のトランプ前大統領が民主党候補のハリス副大統領を上回る支持を再び得始めたことを受け、国債利回りは全般的に上昇。

ただ午後に入って、オンライン予測市場のPredictIt(プレディクトイット)でトランプ氏の勝算がやや縮小したことを受け、長期債利回りに圧力がかかった。

TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の米国金利戦略責任者、ゲナディ・ゴールドバーグ氏は、トランプ氏とハリス氏のどちらが勝利するか、可能性を微調整する動きが市場で出ているとし、「共和党完勝の可能性はきょうは若干低下したが、低下はわずかだ。大きな動きは見られていない」と述べた。

この日発表の経済指標では、米供給管理協会(ISM)の10月の非製造業総合指数が56.0と、前月の54.9から上昇。主に雇用が好調だったことで押し上げられ、2年3カ月ぶりの高水準となった。

これも国債利回り上昇要因となった。トラストアドバイザリーサービス(バージニア州)の債券部門マネジングディレクター、チップ・ヒューイ氏は、経済指標で米経済の強さが示されているとし、「これは連邦準備理事会(FRB)は積極的な利下げを行うという観測に反している」と述べた。

財務省が実施した420億ドルの10年債入札は高落札利回りが4.347%、応札倍率2.58倍となり、需要は堅調。国債利回りの下押し要因となった。

終盤の取引で10年債利回りは1.8ベーシスポイント(bp)低下の4.289%。

2年債利回りは2.1bp上昇の4.197%。

30年債利回りは4.4bp低下の4.451%。

<株式> 反発して取引を終えた。堅調な経済指標を受け、幅広い銘柄に買いが入った。ただ、大接戦となる大統領選の結果を控え、週内はボラティリティーが高まる見通しだ。

この日発表された10月の供給管理協会(ISM)非製造業総合指数は56.0と、前月の54.9から上昇。主に雇用が好調だったことで押し上げられ、2年以上ぶりの高水準となった。

大統領選は世論調査で大接戦が示される中、勝者確定に数日かかる可能性がある。

多くの投資家が選挙の指標として注目する賭け市場では5日、共和党候補トランプ前大統領の勝利確率が改善した。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は、大統領選はかなり接戦で市場の値動きもタイトになっていると指摘。「債券市場も株式市場も議会選を重視している。主な基本シナリオではねじれ議会が想定されているが、今回の選挙はどのような結果になるか分からず、それが課題だ」と語った。

S&P主要セクターでは工業が1.67%高、一般消費財が1.83%高と上げを主導。両セクターを含め5セクターが1%以上上昇した。

トランプ氏が立ち上げた交流サイト(SNS)を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは一時18.64%上昇した後、最大8.42%下落する場面もあった。ボラティリティーを理由に複数回にわたって売買停止となった。終値は1.16%安。

暗号資産(仮想通貨)関連株はビットコインの上昇に追随した。

データ解析企業パランティア・テクノロジーズは23.47%急伸し、過去最高値で引けた。通期売上高見通しの上方修正が3度目となったことが好感された。

<金先物> 米大統領選の結果待ちで様子見ムードが強い中を、対ユーロでのドル安を手掛かりに4営業日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比3.50ドル(0.13%)高の1オンス=2749.70ドル。

市場参加者の間では、大統領選の行方に対する不確実性の高まりが相場を下支えるとの見方がある一方、大統領選の結果が明確になれば、相場は2800ドルまで上昇する可能性があるとの声もあり、一段高を見込む向きが多い。

<米原油先物> ドル軟化に伴う割安感や熱帯低気圧の接近を警戒した買いが入り、5営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.52ドル (0.73%)高の1バレル=71.99ドル。1月物は0.53ドル高の71.56ドルだった。

相場は72ドル台後半まで上昇した後、一転してマイナス圏に沈むなど荒い値動き。近くハリケーンへの発達が見込まれる熱帯低気圧「ラファエル」の上陸に備え、エネルギー企業が米メキシコ湾岸に集積する石油・天然ガスのプラットホームから従業員を避難させ始めており、生産減少懸念が浮上した。

ドル/円 NY終値 151.60/151.64

始値 152.15

高値 152.34

安値 151.34

ユーロ/ドル NY終値 1.0930/1.0932

始値 1.0899

高値 1.0936

安値 1.089

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*27.50 4.4408%

前営業日終値 96*00.00 4.4950%

10年債(指標銘柄) 17時05分 96*25.00 4.2808%

前営業日終値 96*18.00 4.3090%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.25 4.1581%

前営業日終値 99*26.00 4.1670%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.13 4.1889%

前営業日終値 99*28.88 4.1760%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 42221.88 +427.28 +1.02

前営業日終値 41794.60

ナスダック総合 18439.17 +259.19 +1.43

前営業日終値 18179.98

S&P総合500種 5782.76 +70.07 +1.23

前営業日終値 5712.69

COMEX金 12月限 2749.7 +3.5

前営業日終値 2746.2

COMEX銀 12月限 3277.5 +16.6

前営業日終値 3260.9

北海ブレント 1月限 75.53 +0.45

前営業日終値 75.08

米WTI先物 12月限 71.99 +0.52

前営業日終値 71.47

CRB商品指数 283.6464 +0.8937

前営業日終値 282.7527