続いて、演じたキャラクターについて聞かれたチョ・ジヌンは「人間の内面には常に善と悪が共存していると思います。私の演じたへウンはまるでゲーテの『ファウスト』のように悪魔と取引するようなシーンがありました。皆さんの人生においても常にそのような状況はありえると思います。私は決して悪い人間ではないと思いますが、この作品を通じて自分自身の行いを振り返ることができました」とし「皆さんにとってもそんな作品になってくれると嬉しいです」と、へウンは誰しもが共感でき、誰しもが抱く人間の醜悪な部分を持つ魅力的なキャラクターだと語った。

さらに、今回残念ながら来日が叶わなかったイ・ソンミンについて聞かれると「イ・ソンミンさんは最高だ!」と満面の笑み。「何度も共演したことがありますが、本当にお兄さんみたいな存在。まさに長男の様な。演技力も言うまでもなく、韓国最高峰でとにかく最高の人です」と、本作では互いを殺したいほど憎み合う仲を演じたが、普段は強靭な友情が2人を結んでいることをうかがわせた。

「悪人伝」以来、イ・ウォンテ監督とは2回目のタッグとなり、本作では正義の熱血警官から打って変わり、カリスマ性あふれるヤクザの親玉・ピルドを演じたキム・ムヨルは「2作とも体重に関しての注文がありました」と苦笑いを浮かべながら、イ・ウォンテ監督からの10kg以上の体重増加を求められたと無茶ブリを吐露。

「実は、さきほどホテルで監督と会ったときに『え? なんでそんな痩せている?』と言われたのですが、『いや、これが普通なんですよ』と答えました」と、仲睦まじい裏話も飛び出し会場は笑いの渦に。

加えて「俳優というのは作品ごとに常に新しい自分を見せないといけないので、一つの作品と向き合うときに常に新しい姿を探すようにしています。そういう意味でルックスの変化というのは観客の皆さんにダイレクトに伝わるので、この作品は大きなチャレンジになり、自分のためにもなりました。でも、次の作品のために一ヶ月以内に体重を戻さなくてはなりませんでした」と、プロフェッショナルな姿勢を明かすと、チョ・ジヌンが重ねて「私の場合は2週間あれば大丈夫!」とかぶせて会場は再び笑いの渦に。

続いてトークは、本作のタイトルにちなんだ「あなたの『対外秘』(今まで言えなかった秘密、誰にも教えたくない情報など)を教えてください」という質問コーナーに。チョ・ジヌンは「私はあまり秘密がない方なので……」と言いつつも、「この作品で政治家という役を演じてみて、もし一度死んで生まれ変わっても絶対に政治家にはならないと思います。生まれ変わってももう一度私は俳優がいいです」と、よほどこの作品で演じた役柄が強烈だったのか、この作品で胸に秘めていた思いを明かしてくれた。

キム・ムヨルは「少し前に息子が生まれたのですが、息子は幸いなことに妻に似ています」とホッコリとした秘密を明かした。さらに、日本の好きな場所・食べ物をきかれると、キム・ムヨルは「生ビール! ラーメン!!」と即答。チョ・ジヌンは「福岡!」と答え、「なぜ福岡なんですか?」というMCの問いに「豚骨ラーメン! もつ鍋!」と答え、相当な日本ツウぶりをアピール。

対して、日本には足しげく通っているイ・ウォンテ監督は「冬の札幌」と2人を優に超える日本ツウぶりを見せつけた。ここでしか聞けないキャストの貴重な話に会場からは驚きの声と笑いが混ざり合い、和やかな空気が流れていた。

最後に、日本のファンへのメッセージとしてキム・ムヨルは「私はこの作品を本当に楽しみながら撮影しました。さらに大好きな日本に来て、大好きな皆さんに観てもらう事ができて本当に幸せです。どうか皆さんの記憶に長く残る作品になってほしいです」と日本への愛と作品の魅力を改めてアピール。